トランペット
夜の浜辺で青年が一人、トランペットの練習をしている。青年が「プー」とトランペットを吹くと、夜空を流れ星が横切った。
続けて青年がトランペットを吹くと、また流れ星が空を横切った。
「プープープー」
青年がトランペットを吹く度に、流れ星は現れて消えた。流れ星はまるで、青年の吹くトランペットの音に合わせて出現しているようだった。楽しくなった青年はトランペットを吹き続け、現れる流れ星は夜空のキャンバスを彩った。
「プーパープーパープープープー」
調子を良くした青年が、何度目かのトランペットを吹いた時、満天の星は流れ過ぎ、天の川が決壊した。