届け物と妹と
失踪したと思った?残念してません。
さて冗談は置いておいて、投稿に少し間が空いてしまいました、これくらいの期間明けた方がやりやすいかもしれませんが、自分は気分で話を書くので投稿はランダムになりますので、あしからず。
あと前回ブックマークしてくださった方々ありがとうございます。どうぞこれからよろしくお願い致します。
では、長い前書きも何なので本編どうぞ!
あの後話はあまり進まず、帰り道、裕二と昴にも同じ様なメールが来たら教えてね、と言い2人はもし宅配が来たら教えろと言われ、今日は帰った。
そして夜、夕飯を済ませ二階の自室で宿題をしているとインターホンが鳴った。ドキッとして下へ降りていこうと階段を降りていくと、母さんが二階へ上がろうとしているところだった。宅配があった事を僕に知らせようとしてくれたみたいだ、いやそれよりも。
「母さん!宅配は!?」
「あ、幸徳ちょうど良かった、これ貴方のでしょ、運ぼうかと思ったんだけど母さんには重くて重くて」
「えっと……母さん、それにお金って」
「え?払わなかったけれど、お金はと言ったら要らないって言われたわよ。これ幸徳に宛てた贈呈品らしいじゃないの、スーツ姿の男性が直接渡しに来たわよ」
「え……」
その後階段の踊場で呆然としている僕に対し、ゲームも良いけれど勉強もちゃんとしなさいよ、と言い残し母さんは洗い物に戻っていった。階段の下に置いてあった大きめの長方形のソレを見て、とりあえず部屋に戻って箱を開けようと思い持ち上げようとするとズシッとした感覚が腕に伝わる。
「重っ?!」
「そうだ、それ本当に重いから気をつけてね」
「う、うん……」
「……お兄ちゃん手伝おっか?」
母さんに忠告され何とか気をつけて持ち上げようとすると
後ろから声がかかった、その方へ顔を向けるとお風呂から上がったのか少し髪を濡らした寝間着姿の妹の芽衣が立っていた。
兄としての威厳を見せようと、1人でも大丈夫という姿勢を取ろうと持ち上げようとするも、腕が情けなくプルプルする。何故だ、僕の腕よ。ちなみにその間芽衣はじーっと此方を見ている、視線が痛い。
「……ありがと芽衣、半分持って」
「うん、よいっしょ……う、これ本当に重いね、これはお兄ちゃんが腕プルプルさせても仕方ないよ」
妹に気を遣われた事に軽くショックを受けながら2人で階段を上がり部屋に運ぶ。あ、部屋の扉開けっぱなしにしとけばよかった……。
閑話休題
芽衣に手伝ってもらい部屋にソレを運び込み、一息つき芽衣にお礼の言葉を述べる。
「ふう、ありがとうね芽衣」
「ううん、別にいいけど、運んだこれ、何?」
「多分、VRゲームセット…かな」
「多分って、お兄ちゃんそれ大丈夫?」
僕の返答にジッと目を細め見つめながら芽衣が言う。いや、僕も正直怪しいとは思うけれどさ、見た感じ請求書らしき物も入っていないし大丈夫かなって……。
「大丈夫だと思うよ、メールも来たし」
「ふーん…ならいいけど」
「まあ、もし請求書が来てもバイト代貯まっているし大丈夫だよ。じゃあ、開けようかな。あ、そうだメッセージ送らなきゃ。届いたよ……っと。よし、芽衣カッターとって?」
メッセージを送り、芽衣にカッターナイフを取ってもらうよう頼む。芽衣は机の上に置いてあるペン立てから黄色と黒でお馴染みのカッターナイフを取り僕に差し出す。
「はい。お兄ちゃん、指切らないようにね」
「ありがと。うん、わかってるよ……っとよし、開いた」
大きいダンボール箱を閉じているビニールテープの中心にカッターの刃を当て軽く突き刺しテープを一気に切り裂く。ビーッという音を立てテープが裂けていき、テープの拘束を失ったダンボールの外フラップが軽く開く。そのまま外フラップを持ち上げ内フラップも開くと、そこには衝撃吸収の為か大量のプチプチに外側を包まれた白色に艶めくVRヘッドセットの姿があった。
その姿を見た僕は憧れのVRヘッドセットが目の前にあるという事実とコレを使っていいんだという高揚感によりドキドキと胸が高鳴るのを実感した。
「おお…実際に見ると凄いな」
「おお〜、これがよくテレビのニュースでやってるやつなんだ。ふーん、ねえお兄ちゃん、これもうゲームやれるの?」
「え、どうだろ、説明書は……最初はセットアップとソフトのインストールをしなきゃいけないんだって…って、おお!?もうMWOのソフトが入ってるの!?」
芽衣の言葉に促され説明書を読むと僕の脳波の測定、ソフトのインストールなどをすると書いてあり、そのソフトの中にMWOの名前を見つけ驚いた。横を見ると芽衣も驚いてるようで、その大きめな目を更にまん丸とさせている。
「お兄ちゃん本当何したの?普通貰える?」
「……強いて言えば72人しか貰えないシリアルコードを貰った事……かな」
芽衣がその大きな目を更に大きくする、目が零れ落ちそうだな……なんて思いながら見る。
「それ相当凄くない!?」
「ん〜……どうなんだろうね、まあ一先ずソフトをインストールするよ」
「凄いと思うよ、本当……じゃあ私邪魔になりそうだし部屋に戻るね、また話聞かせてよ」
「うん、わかった。ありがとうね」
「は〜い」
芽衣が自分の部屋へ戻るというので手伝ってもらったお礼を言い芽衣が部屋を出て行くのを手を振りながら見送る。芽衣も手をフリフリ振りながら出て行き、扉が完全に閉まるのを見ると僕は一息つき。
「さて、インストールするかな」
目の前に鎮座しているヘッドセットを見て、独り言を呟いた。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
誤字、脱字、ここ変じゃない?という表現がありましたら教えて頂けますと幸いです。
そして出来れば感想、評価の程お願い申し上げます。