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きっかけ

前回ブックマークしてくださった方々ありがとうございます。これからもどうかお贔屓に……。

 いつも通りの平日でいつも通りの学校の休み時間。

 僕は欠伸をしながら、自分の席で次の授業は現国だったかな……と考えながら準備をしていた。

 教科書を取るため机の横に引っかけている鞄に手を伸ばすと、ドタドタと廊下を走る音が聞こえる事に気がついた。


「なんだろ……」


走る音は僕のクラスの前で止まり、扉が勢いよくガラーッ!と音を立てて開く、音に驚きその方向に顔を向けると、友人の裕二が扉を開けていた、後ろではもう1人の友人である昴が困ったように眉を下げているのが見える。


「よっ!幸徳!!」

「よう幸徳、ごめんな…急にこの裕二のバカが」

「2人ともおはよう、大丈夫だけど、どうしたの?」

「ふっふっふっふ……クラスの、見たか?」

「クラスの?」


 聞き返すと裕二が怪しげに笑いスマホを取り出し僕に画面を向けてきた。


「これをみよ!!なんと!クラスにMixed world onlineのプレイヤー募集が張り出されているのだ!」


 スマホの画面には確かにMixed world onlineのポスターの写真が写っている、けど。


「なんで学校に?普通学校にゲームのポスターなんて張り出さないでしょ」


 その問いに後ろにいた昴が近寄り答えた。


「なんでもVR世界での勉強効率の調査かなんかでMixed world onlineの会社から学校に要請があったそうだ」

「だそうだ!なあ幸徳やろうぜ!ポスターのQRコードから応募ができるからやろうぜ!」


 そう言いながら裕二がグイグイと僕にスマホを押し付けてくる。


「わ、わかった、わかったから近い近い」


 迫る裕二を退かせポケットからスマホを取り出しQRコードを読み込むアプリを起動させ、裕二のスマホにカメラを向け読み込むと、自動的にホームページが開く。

 ホームページをスクロールしていくと、荘厳なフォントでMixed world onlinの文字と【幾つもの世界が混ざった世界で君は新しく“生”を受けるーーーー】と謳い文句が書かれていた。


「生を受ける……かぁ、壮大だね」

「まあそこはよくある謳い文句だな……ん?動画があるな、なあ裕二こんなのあったか?」

「え?どれだ?……いや、無かったな。しかも真っ黒とか……気になるな!なあ幸徳!開いてみてくれよ!」


 昴が見つけたソレは真っ黒な長方形の真ん中に再生マークがポツリと浮いている、パッと見たらバグっているとしか思えない動画だった。


「ん、わかった。PR動画か何かかな」

「さあなぁ、俺と裕二が見た時には無かったし、更新されたのかもな」

「多分そうだな……おっ読み込み終わったぞ!」


 2人に向けていた顔を画面に戻すと、画面は黒に染まっていた。


「あれ、真っ黒だ」


真っ黒な画面を見ながらポツリと呟くと昴が画面を覗き込む。


「……変わらないな、時間は……なあ幸徳、裕二、この時間表記、おかしくないかこれ」

「どれどれ……ブッ!73分!?PR動画の域を超えてるぞ!?」

「ちょっ裕二汚い!でも確かに73分は長すぎるよね、ちょっと時間進めてみるね」


 そういいシークバーを少しずつ右にずらしていく。


「……黒だな」

「黒だ」

「黒だね」


 進めていっても71分間何も映らず進み、72分に突入すると何も移さなかった画面に白い文字が浮かび上がる。


「あっ、映った!これは……シリアルコード?」

「下に『ゲーム内で使ってね!』だってよ、いいなぁ幸徳俺も欲しいぜー」


 裕二がむくれたように僕の机に突っ伏した。


「裕二、もう一回見てみなよ、もしかしたらがあるかも」

「そうだぞ、現に俺はあった」


 僕が宥めるように裕二に言うと昴は既にホームページを開いていたみたいだ、しかもさっきまでの僕のスマホのようにその画面は黒く染まっている。いつの間に。


「昴!?お前もか!くっそ俺も出してやる!」

「何に対抗してるの……」

「お前らにだよ!!よし開いた、黒い動画は……ないいいいい!!!!」

「あはは……あれ?昴何して……あ!?」


 叫び今度は床に突っ伏した裕二からスマホを取った昴は何か操作を行うと驚いた顔をすると徐ろに裕二の頭に向かってスマホを落とした。

 スマホは真っ直ぐ下に落ちていき裕二の後頭部に軽い音を立てて見事直撃、絶対痛い。


「った!?おま、昴何しやが……おおおおお!?」


 後頭部を抑えながら床に落ちたスマホを拾った裕二は画面を見てまた叫び声を上げる、画面が割れたのかな。


「昴ありがとおおおおお!!どうやったんだ!?」

「そこまで喜ぶか……なにも特別なことはしてないぞ、ページの再読み込み連打してたら出た、正直俺も驚いている」

「そんな簡単に出るんだね……」


どうやら画面は割れていなかったみたい、よかったね、画面割れたら見にくいし修理にお金かかるしね。

一発で出た僕は運が良かったのかな何て思っていたけどそうでも無かったのかな……。

 1人で何故か沈んでいると授業開始の合図を告げるチャイムが鳴った。


「うわやっべ次の授業、数学の山道だ急いで戻るぞ昴っていねえ!!クッソあいつ1人だけ……じゃあな幸徳!また連絡するわ!!」

「あ、うん、じゃあね裕二〜」


……そういえば皆同じ時間の所で出るのかな、僕の時は72分だったけど……。

シリアルコードだから皆違うはずだけど……んー?

最後までお読みいただきありがとうございます。

よろしければ誤字のご指摘、コメント、評価、レビュー等々お願い致します。

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