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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
獣の王と竜の王
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一時的な封印

面倒な事になった………

  第85話  一時的な封印

 勇者が魔法少女の思いを受け止めた事で狂化は………魔王化は何とか抑え込めた。

 だけど、

(弱体化してる……) 

 ハーレム組が勇者に向かって安否を確認しているのを目で見つつ、自分の内面の力をそっと確認して驚愕する。

 魔王としての力はある。でも、生前より弱くなったと感じるのだ。


 考えられるのは三つ。

 一つ目は、転生した事で能力が全体的に低下して居たのを自分では気付いてなかった。

 二つ目は、女神と名乗っている存在の影響が勇者に強く影響していた。

 三つ目は、すでに魔王わたしの後継者候補が育っている。


 可能性としては三つ目が一番ありそうだが、もしそうなら、勇者は勇者の力を失うだろう。

 勇者は魔王わたしを倒すために勇者にさせられた。

 次の魔王が誕生したらそれは勇者には納得できないだろうが、次の勇者に託して、見守りべきだ。


 元の世界で分かりやすく言えば、アニメなどのシリーズものでは敵が変わったら主人公も交代するだろう。そんな感じだ。

 …………先代の主人公が出てくる場合は前座扱いか主人公に新しい力を渡すとか師匠的ポジションになるよな。

 そのポジションにこの勇者が納得するとは思えないし。

 

「”我が君”」

 声がする。

「”リム?”」

 そちらに視線を向けると悔しそうな表情のリムクライン。

「”申し訳ありません…”」

 ……近くに控えていたのだろう。入るタイミングが無かっただけで、

「”気にするな。……龍帝の次男を連れてきた事は褒めよう”」

 それだけでもお前のした事は意味がある。

 言外に告げると泣き出しそうなリムクライン。別に責めてないけどな。

「”久しいな”」

 笑いかけるとリムクラインの後ろに付いてきた龍帝の次男は大きく目を見開き、

「”………獣の王?”」

 と、尋ねてくる。

 気配と言うか魂の質で分かるだろう。確認してから。

「”やはり……高位の者になってなかったんですね。……冥府に方の言った通り”」

 冥府の方?

「”番人がどうした?”」

 何故、龍帝の息子からあいつの異名が?

 結婚式には出たけど、基本引き篭もり――魔王は全員――だから交流など無いのだが、

「”魂の行き先はよく見てますので”」

「”ああ…”」

 納得した。

 あいつは高位の者から死者の魂を掠め取るのが大好きだったな。

 遠い目をしてしまうのは仕方ないだろう。それほど魔王の中では常識外れ――魔王自体常識はずれな存在だが――だったのだ。


「”獣の王”」

 龍帝の子供達――末っ子だけ居ないが――が近付いてくる。

「”魔王化を抑え込んでも一時的にしかなりませんよ”」

 白銀の爪が心配そうに声を掛ける。

「”魔王化して原因である欲望を消すか。消化しないと”」

 ………似たよな言葉だけど、内容は異なる。

 欲望を消すのは、その人間の根本を根こそぎ破壊する事で。消化は本人が折り合いをつけて自分で片付ける。

 前者は下手すると廃人化させちゃうので後者が望ましい。

「…………魔王わたしで説得できるかな」

 面倒だと思ってしまうのも仕方ないだろう。

 こっちの方が圧倒的に無理ゲーだとゲーム脳ではないがそう思ってしまった。








真緒「主人公交代すると前の主人公が好きだと活躍しなくて悲しいけど、活躍しすぎると主人公が嫌いになるんだよね」

リム「何の作品かあえて聞きません……」


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