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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
獣の王と竜の王
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魔王化

ハーレム陣が怖い件

  第82話  魔王化

 勇者の手には、魔族を切る聖剣。

「新庄さん…」

 ぎゅっ

 強く柄を握る。

「大丈夫…」

 その目には狂気のそれ。

「すぐに助けてあげるから」

 少し離れていただけだろうに――私ではないハーレム陣の事だ――何で急にバーサーカーモ-ド。

 一体。何があったのやら。

「勇者…?」

 ハーレム陣も青ざめてドン引いてる。

「ねえ、湯島君がああなったのって、今までなかったの?」

 無いだろうなと思いつつ、もしかしたら特殊効果で――私も大分ゲームに感化されてるな――そういう状態になっているだけかと思って確認する。

「いえ……」

 巫女が首を振る。

「こんな事…今までありませんでした…」

 勇者の目は自分の仲間は映ってない。

 幸か不幸か。私しか見えてない。

 全っ然。嬉しくないんですけど!!

 もともと好きではない、苦手な――嫌いと言わないだけましだと思え――相手がよく分からない事を言って攻撃してくる。嬉しいか。嬉しくないよな。

 嬉しかったらマゾですねと認定してあげよう。

 …………冷たい眼差しとセットで。


「止めろ。勇者!!」

 女騎士が勇者の剣を自分の剣で受け止める。

「その者は訓練と言う名で何度事故死させようか目論んでいたとはいえ、勇者の大切な者だろう。勇者が殺したいのなら私が殺すから勇者はその手を止めてくれ!!」

 おい?

 おいっ!!

 一番まともだと思っていたぞ。このハーレムの中で。

「私を殺す前提で話を進めるな!!」

 何この物騒な発言は。

「女騎士。何を言ってるんですか!?」

 おお巫女が止めに入ってくる。……ごめんね。宗教とかに好印象無かったから良く思ってなかったけど。まともだったんだね。

 ………そこの宗教に入らないけどさ。

「どうせなら、大なり小なりある神の加護を無くして、死んだ方がましと言う目に合わせてからじわじわと甚振った方がいいじゃないですか!?」

 ………………前言撤回。

 この人聖職者と言うのは嘘でしょう。

「同じ神を信じている者には慈悲深いけど異端な神を信じている者にはあんなものよ」

 魔法少女がフォローに入る。

 ちなみに魔法少女は神を信じてない。魔法という物自体宗教的には異端らしい。

 ………何それ。知らなかった。


 それにしても……。

「どうしてああなった?」

 空気読まないし、短慮だが、こういう事をする奴じゃないのに。

 人を殺してしまった事を悔やんでいるので根は真っ直ぐだし。


 何か手掛かりが無いかとじっと勇者を見る。

 攻撃は相変わらず来るが、さっきから女騎士が守ってくれている。

 ……………さっきの発言で信じていいのか微妙だが。

 取り敢えず今は信頼して、守られておく事にして、見つめ続けると、

「あれは…」

 勇者の剣。あれは人の祈り。願いを具現化して魔族を倒す武器になる。

 耳を澄ますと魔物――魔族だが――を倒してという大勢の人々の祈りの声が聞こえる代物で、勘がいい人は近付くだけで気が狂いそうな勇者専用武器だが、その剣に違和感が感じられる。

 どう伝えればいいのか。分からないが、何となく変だ。

 何とか表現してみようとすれば、縫物をしていて、生地に合わせた色の糸が途中で無くなり、似た色で縫物を再開するよな感じだろうか。

 一見すれば分からないがじっと見れば違う色だと気付く。そんな感じ。

 それがどうしたと言われるかもしれないが、その違和感が良くないものだと感じるのだ。


「”獣の王”」

 龍帝の長男――ヴィントが口を開く。

「”何”」

「”……彼の者。どのような欲があった?”」

 ぴくっ

 欲の言葉に動きが止まる。

 欲望。生きている限り誰しも持つモノ。だが、その意味合いは……。

「”魔王化…”」

 を示すものだった。




一番まともなのは魔法少女。

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