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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
獣の王と竜の王
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女神に託された者

真緒様と合流したいのに勇者に先越された組。

  第81話  女神に託された者

 ラントと名乗った青年を連れ、リムクラインは走る。

《ラーセルシェードと合流した方がいい》

 女神がそう意見を述べたから敬愛する主君のもとに向かおうと思ったのだ。


「”そういや、さっきラー…じゃなくて、獣の王が生きていると言わなかったか?”」

 ラントは走りながら訪ねてくる。

「”生きていると言うと些か迷う事だが、我が君はご存命だ”」

 リムクラインを含む魔族からすれば魂は同じなので迷わず我が君と言えるが、同じ魔族でも死んだという知識故に目の前に現れても気付かなかった輩も居る。

 …………………………人工的に魔族を創り出そうとした魔人の事を言っている。

 

「”……………………じゃあ、魔王が勇者に倒されるとその魂は高位の者に昇格するという流れは起きなかったのか?”」

 ラントは龍帝の近くに居るのでそれらの知識は与えられる環境に居た。

「”………高位の者?”」

 対してリムクラインは今こそ魔人だが、数カ月前までは獣人だったので、そういう知識とは縁遠いところに居た。

《……周期が早かったから昇格できなかった。それに正規の方法で勇者も倒したわけではないので》

 答えるのは女神――かつてこの地に最初に現れた勇者であり、最初の生贄。

「”……それは、彼の女神が偽りの女神であるのと関係があるのか?”」

「”偽りの神?”」

 何でそんな話が出てくるのか? 

《…………今は語れない》

 女神は告げる。


 女神――ラシェルはもちろん知っている事であるが、前回ラーセルシェードに会いに行って頼んだ事は高位の者にとって都合が悪かったので拘束された。

 今、自由なのは、ゲームマスターの気紛れだ。

(その方が面白いという考えなのだろう)

 面白いと判断したからユスティを下界に降臨させた。

 その面白いという認識にはこの勇者の心を認識してない。


「高位の者でも下っ端という事か」

《……昇神した時に制約が課せられているから》

 ここで手を貸すのもギリギリなのだ。

「”……あの意味が”」

 分からないのですが。

 リムクラインの言葉に迷うように、

《ラーセルに聞いてみなさい》

 と丸投げをする。

 これ以上は引っ掛かるし、

《さすがに、気紛れは長く続かないだろうし》

 戻って来いと引っ張られる感覚がする。

 

 正規の手段ではないが、彼は自分の後継者――勇者だ。

 だから、

《彼の破滅だけは防いで》

 高位の者の賭け事の内容は告げられないが、自分は全てが丸く収まるに望みを掛けた。

 信じたのだ。魔王しんゆうを。


 もう下界には降りれないだろう。ゲームが終わるまでは。

 自分は動きすぎたのだ。


 だから、

(信じてる)

 そう声無く、ラーセルシェード――今は新庄真緒と呼ばれる魂に祈った。









色々旗立てたけど回収できるかな……。

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