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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
獣の王と竜の王
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勇者の内面

特にない

  第80話  勇者の内面

 彼は信じていた。

 巻き込んだしまった少女。

 自分が守って行かないといけないと。


          ・・・・・・・・・

 そのために彼女は、弱いままでいなくてはいけなかった。


 女騎士に剣技を教わっていたが、剣の重さによろめいていたのを遠目で見て、怪我しないかとはらはらしつつ、剣に対してチートが無いのを喜んでいた。


 巫女から神の愛を学び、浄化などを教わっていたが、宗教観が理解できなかったの様で、全く使える素振りは見せ無いのを見て、難しいよなと苦笑しつつ、神託が降りてこない事に優越感を抱いていた。


 魔法少女から魔法を教わった時だけ、雰囲気が違ったからもしかして使えるかと思えた。だけど、結局は使えず、彼女はファンタジーの世界のお約束で魔法を使いたかったのだろうと判断してそういう夢見がちなところもあるんだと可愛らしく思った。


 何も出来ない役に立たない。


 彼女に突き付けられたのはそんなレッテル。

 

 旅に連れて行かない方がいいのではと言う意見も実はあった。でも、押し通した。

 旅の途中で能力が開花するかもしれない。

 自分が居ない時に彼女に何かあったら責任とれないから。

 巻き込んでしまったから責任は取りたい。


 様々な理由で、同行させた。

 そう、彼女のために――。


 ユスティはそんな勇者をずっと見守っていた。いや、見物していた。


 選ばれた勇者じぶんと巻き込まれただけの一般人かのじょ

 心配な気持ちもあっただろう。

 それ以上に同じ異世界召喚された立場でなのにはっきり表れた明暗。

 優越感。

 選民主義。

 彼女を気遣う事でますます彼女の立場が悪くなる事をどこか面白がっていた。

 足手纏いの彼女を連れての世直しはとても居心地が良かった。


 一度目は元の世界に帰った。だけど、戻ってみると面白くない世界。

 誰も自分を見ていない。

 自分は勇者だったのだ、一般人と同格にする間違った世界。


 戻らなければ良かった。そう思わされた。


 だから、もう一度この席に来れるのは勇者にとって僥倖だった。

 しかも、元の世界を知っている人間が居て、自分の偉功を見せつけられる。


 まさに、渡りの船。


「ほんと楽しいぐらい踊ってくれる」

 その彼女が自分と同じぐらい強かったら?

 最初は精霊の王。彼の者の言葉が分かると言うのが彼に対して波紋を与えた。


 次は、魔獣。

 魔獣に名を与え、延命させる力を持っている事が、彼女に対して警戒心を与えた。

 

 魔物と共存する街。

 見付からない仲間。冷静さを掛けた自分と冷静であった彼女。

 魔獣使いと言え、人間をしかも助けてくれたにも拘らず殺してしまった事が彼に昏い昏い闇を生み出させた。


 その勇者に囁けばいい。

 貴方は正しい。

 貴方はわたしの声が聞こえる。

 

 そして、謳う。

 何者かが、わたしが勇者と接触するのを妨害していた。

 貴方はその何者かの罠に掛かっただけだと。


 疑いの芽は撒かれていた。

 後はその疑いの芽に水を与えるだけ。


「さて、踊りなさい」

 わたしの願いを叶える為に――。


 




こいつのダークサイドは書いてて不愉快

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