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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
獣の王と竜の王
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魔人と龍帝の息子で出来る友情

龍の名前はなんちゃってドイツ語のつもりです。

  第78話  魔人と龍帝の息子で出来る友情

 龍帝の息子――大地を照らす光は、いきなり現れた女神と魔人に案内されて逃げていた。

「なあ? あの女神はなんだ?」

 女神じゃないが、女神としか形容出来ない存在なんで、一応女神と言っておくが、

「あれ……神……高位の者にしては弱いぞ」

 勇者が名を呼んでいたし。

《……彼の女神がそれを許した。とは、考えないのですか?》

「それはない」

 はっきり断言できる。

「名を呼ばれるたびに笑顔に違和感あったしな。あれは怒りを抑え込んでいるものだと思うぜ」

 名前を呼ばれるのを許してない。それなのに勇者に名の影響は来ていない。

「あれは何だ?」

 偽りの神に対して女神なんて言うのも馬鹿らしい。名前を呼ぶと流石に影響あるかもしれないので用心して呼ばない。

 結果的にあれとかそれとかと言う呼び方のなってしまう。

「”………………龍帝のご子息様”」

 今まで周りを警戒してこちらの会話に加わらなかった魔人がまだ警戒しているので視線をこちらの向けないまま、

「”俺からすれば違いは分かりません。そこまで違いますか?”」

 山羊の魔人は魔人にしては大人しそうな――偉ぶってないと言う意味でだ――性格の様だ。それはこちらがこの地方の言語を使用しているにもかかわらず俺らの公用語を使用している事でも窺える。

「敬語じゃなくていいぞ。親父様の息子だけど格はお前と同じぐらいだ」

 呼ばれ方に差はあるが、力としては同じぐらいだろう。

「親父様の七光りで偉そうにしているだけで、所詮張りぼてだしな」

 だから敬語をつかうな型苦しい。

「………………」

 警戒して周りを見ていた魔人がこちらに視線を合わせ、

「”その割には、呼んだとたん牙を向けそうですね。……敬語に関してはお許しください。こう見えても最近まで魔人ではなく、獣人でしたので”」

 山羊の魔人だからか。こちらの本質を掴むのが上手いようだ。ってか、それよりも。

「…………獣の王に名を呼んでもらえたのか?」

 強い者に名を呼んでもらえると進化する事がある。こいつはそれの様だ。しかも、

「獣の王のお気に入りだな」

 そんな空気が宿っている。

「”おっ、お気に入り……そっ、そんな事ありません!!”」

 嬉しそうに顔を赤らめて、動揺している魔人。

「って? それじゃ、あいつは獣の王を倒した憎い敵だよな」

 それにしては殺気も敵意も向けてなかったよな。俺を助ける事以外考えてなかったような……。

「もしかして、虎視眈々と機会を窺っていたのを俺が邪魔した!? あ~!! やばい!! やらかしたぁ~!!」

 親父様のどやされる。

 頭を掻きむしって、

「わりぃ。邪魔したよな!! 敬愛する王の敵を討つ機会潰して!!」

 親父様のくれぐれも獣の王の臣下達を邪魔するなと言われていたのに!!

「”あの。龍帝のご子息”」

「ラント」

「”えっ!?”」

「俺の愛称はラントだ。正式名は名乗れないし呼べないと思うから愛称で呼んでくれ」

 それがせめてもの詫びだ。

「”俺の名は、リムクラインです。愛称はリム。ラント様。大きな誤解をしているようなのでお伝えしますが”」

「ふあ!?」

「”我が君はご健在ですよ”」

 それは親父殿に聞かせたい吉報だった。

 







リム「そう言えば、生きている事って言って良かったっけ?」

ラント「親父様に報告♪ 親父様に報告♪」

リム「……まあ、いいか」

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