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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
獣の王と竜の王
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真緒の弱点

魔法少女vs真緒様

  第68話  真緒の弱点

 魔法少女の攻撃は直線に襲い掛かって来る代物だったので、横に避けて――それども紙一重だった――やり過ごす。

「うわぁ~」

 さっきまで居た場所が黒く燃え痕になっている。

「ふ~ん。逃げたの」

 忌々しいと言うように舌打ちしないで欲しい。

「でも、次は逃がさないから♪」

 ばちばちばち

 電撃系の魔力が魔法少女の手の中に集う。

「感電死しちゃえ♡」

 その可愛らしい口調で物騒な事を言わないで欲しい。

 

 広範囲の攻撃。

 魔法少女を中心に円径に広がる技だが、その攻撃範囲から逃げるには広すぎる。

 …………………自然破壊になるぞ。

 それどころじゃないのにそう突っ込んでしまいそうになる。

 口にしなかったのは火に油を注がないためである。

 ……賢明な判断だと自画自賛しておく。


「どうしたの?」

 首を傾げる魔法少女――うん。こういう時じゃなければ可愛い仕草だよ。

「どうして反撃しないの?」

 出来るでしょう。それとも、

「――私を馬鹿にしてるの」

 火炎の球を生み出して、投げてくる。

 …………目が座ってる。


 やばい。

 警鐘が鳴る。

 やばい。

 冷や汗が流れる。


「なら、いい」

 ならば殺してあげる。

 キレ掛かっているというかキレている。

 巨大な火炎の球――わあ、大玉転がしを思い出すな――を生み出してこちらに向かって投げてくる。

 うん。逃げられないな。

 マジで殺すつもりだ。


「……」

 死にたくないな。


 ……………そう、思った。


「えっ…!?」

 魔法少女の目の前では彼女の作り上げた火炎が何かに抑え込まれるように消えていくのが見える。

「えっ…」

 まるで、ふんわりと紙で球を作っていたのをぎゅうぎゅうに抑えられたというように、やがて、消えていく。


「……空気を圧縮して、燃やすための酸素を減らした」

 答え合わせをするように告げる。

「………その方が周りの被害も防げる」

 そう言いつつも自身はぼろぼろだった。

「何で……!!」

 怒り。

「なんでそんな魔力を待っているのに!! 馬鹿にしてたの!!」

 氷の槍を生み出して闇雲に投げてくる。

 それを防ぐ風の壁を生み出して何とか当たらないようにしてる。

 …………当たったら凍傷になりそうだな。

「………して」

 声がした。

「どうして!! 反撃ぐらいしなさいよ!! 私を馬鹿にしてるのっ!?」

 馬と鹿は可愛い。…とボケたらますます攻撃が酷くなるんだろうな。

「魔術を教えた時から真面目にやる態度じゃなかった!! それで、私を虚仮にしただけじゃ足りないのっ!?」

「……っ!?」

 バレてたんだ。……それじゃあ、怒るわな。

 でも、

「……………………教えてもらったのは、攻撃だった」

「……………えっ!?」

 勘違いは正しておかないと、

「教えてもらったのは使えなかった」

 実力を隠していたのもあるけど、

「………私の力は偏っているの」

 実は、前世の時もそうだった。魔王になったきっかけが影響しているのだが、

「私の魔力で攻撃しようとしても一切使えない。私は………防御とか補助は特化してるけど、攻撃に回す事はどうしたって無理だった」

 かつて、一匹の狼が、老いた馬と友になった。種族の違う友と仲良くしたい。他の種族の動物を群れにしたゆえに魔王の進化。

 魔王わたしは戦闘が出来ない魔王で、そのために眷属を生み出し、防御に特化した魔王だった。




会話チートがあるのもそれで

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