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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
獣の王と竜の王
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魔力を持つ者

魔法少女と真緒様のお散歩

  第67話  魔力を持つ者

 付いてきてと言われて向かうのは村から離れた森の奥。

「私達魔法を使用する者の中には特殊な磁場がある所を見付けてそこで英気を養うんだ♡」

 にこにこと説明してくる魔法少女を見て、まともに説明されるなんてこの世界に来て初めてかなと考えてしまうのは――現実逃避だったりする。

 本当なら来たくなかったが有無を言わさない響き、元の世界で――勇者のせいで――校舎裏に呼び出された事を思い出す。

 あの時は好きで付き纏われてるわけじゃないと言っても信じてもらえず勇者ゆしまに付き纏う――逆だ。逆――悪女のレッテルを張られたな…。

 ………学校辞めたかったけど、学費の事があるからそんな事言いだせなかったし、辞めてどうするのかと言われたら何も出来ないし。一過性の事だと言い聞かせて耐えてたな(遠い目)。

 まあ、学校に居た動物とか同じ飼育係の仲間とは仲良くしていたからぼっちではなかったが。

「やっぱり……」

 現実逃避していたが何時までも逃げられるわけはなかった。

 魔法少女の呟く声に、なんか嫌な予感が当たった事を察する。


 糾弾する眼差し。

「……特殊な磁場がある所は魔力を持たない者が近付くと、体調を崩すんだ♡ 分かりやすく言えば魔力酔いと言うかな。耐性が無くてね♡」

 可愛らしい口調だけど目は笑ってない。

「……あの街で浄化したの貴方でしょう?」

 問い掛けの形をとっているが確信。言い逃れは許さないと伝えている。

「……なんでそう思うの?」

 言い逃れではない。肯定しているわけではない。ただの疑問。

「………」

 惚けているわけではないのは理解してくれたようだ。

 もし惚けていると判断されていたら問答無用で襲い掛かってきただろうし。


「浄化された壁の痕跡に魔力が残ってたの♪」

 にこにこと笑い、歌うように教えてくれる。

「駄目じゃない。正体隠したいなら、魔獣に魔力を注いじゃ♡ 壁の残された魔力とそこの魔獣からは同じ魔力が感じられるんだから♪」

 成程、成程。

「じゃあ、あの壁に魔力があったのを知っていたの?」

 人と魔族。その魂を封じていた城壁。

 怨嗟と絶望を宿したあの壁。

「………魔力は感じた。けど、そこに宿っていたモノの正体までは分からなかった。壁に魔力を通して防御を強化すると言うのは原理上考えられてたし」

 複雑な表情で告げてくる魔法少女の言葉に安堵する。

 …………もし、知っていて放置だったら私は自分でどうなっていたか分からない。

 正体をばらすつもりで殺そうと動いてたかもしれないし。


「私。貴方が嫌い!!」

「………」

 面と向かって言われた。

「浄化出来るのは神職だけ。それが常識だったので、魔法使いは魔力こそあるけど、その地位は低かった。魔物が居なければ迫害の対象になってた程よ。………それなのに」

 怒りを必死に抑え込んでいる。

 外見が外見だし、しゃべり方もあれだから気にしてなかったけど、そう言えば、国との連携に関しては巫女とか女騎士が動いてたな。

「浄化をするほどの力があるのにそれを隠してたなんて!!」

 怒りを抑えているが、そろそろ限界だろう。誤魔化したら火に油を注ぎそうだし、誤魔化しきれないだろう。

 認めるしかないか。

「――当たり」

 言い方に迷い、相手を茶化さないように告げたつもりだが、それの返答は、攻撃魔法だった。 

魔法少女にとっては魔力があるのに隠していたわ自分より強いわで騙してきた真緒様は許せない対象です。

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