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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
魔王になりたい者
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ラシェルとユスティ

この章はこれで完結

  第62話 ラシェルとユスティ

 そこに居た者達は水鏡に移った街の様子を見ている。

「今回のゲームはこんな結果か」

 一人がつまらないとぼやき。

「あれに期待していたのに」 

 悔しそうに顔を歪める者もいる。

 そんな様子をゲームマスターとして見ていた者は、

「今回のゲームの敗者は去りなさい」

 くすくすと鈴が鳴る様な声で告げる。

「見物だけなら構いませんよね」

「ええ。でもゲームの賭けは終了よ」

 それでも見る? そう告げられて、

「では、次回に持ち越しますか」

「次がいつになるのか」

 ざわざわと消えていく者も居れば、

「結果は知りたいですからな」

「あの魔王がどうするか見物みものですしね」

 と、残る者と二つに分かれる。


「さてと」

 残った者が少なくなり、テーブルが静かになる。

 ・・・・

「二人とも来なさい」

 女性が声を掛ける先には、かつての勇者であり、ゲームを妨害しようとして拘束されていた存在ともう一人。

「良かったわね。貴方の親友はまだ生きてるわよ」

 女性はかつての勇者――ラシェルに向かって微笑む、

「何故…!?」

「なあに?」

「何故、解放したのです!?」

 拘束されて当然だと思っていたのにと告げてくるラシェルに、

「だって、その方が面白そうだったもの」

「……!?」

 その言葉でとっさに手が出そうになったのを耐える。

 自分が何をしてもこの者にはダメージを与えられないと悟っているから。

「まさか、かの者の魂が別世界に行っているとは思わなかったけど、こんな面白い事をしてくれて感謝してるわ」

 女性の視線の先は水鏡に映っているかつての魔王。

「ユスティも良かったわね」

 にこにこと呼んだもう一人に向かって微笑する女性。

「賭けに貴方が勝てば私達と同格になる。貴方の賭けた勇者も残ってるし」

 その言葉にユスティは不快気に、

は、さっさと名を消したい。神として崇めながら名を残していてくれるので、神としつつも強制させられているのが現状だ」

 賭けに買ったのならさっさと自然災害で人類の殆どを滅ぼしてやるものの。

 忌々しいと告げる声にまだ賭けで残っている者。見学に洒落込む者は大声で笑う。

                   ・・・・・・

「名を残したのは貴方の失態だったのよ。一番新しい神」

 高位の者の一人――最古の神は叱るように告げる。

「でもまあ、勇者か魔王のどちらかが私達と同格になれば人間相手のパシリが出来上がるわよ」

 それを期待しなさいと告げる声。

「……まあ、それは貴方が賭けに勝つ前提だけどね」

 その声に四方から嘲笑の声が響く。

「さてと次はどう動いてくれるかしらね」

「次のゲームの駒は竜王か冥府の王か」

 別の者が口を開く。

「それとも……」

 高位の者視線の先には魔王によって生き返った二人の魔族。

「新たな魔王候補かしら」

 どう転んでもゲームマスターの彼女には関係なかった。




真緒様が出ないと寂しいが次も出ない予定

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