素材
残酷描写じゃないと言い切る
第49話 素材
意識の一部を切り離した状態で、アカネと共に何とか中に入る。
(これは…)
大勢の人。そして、たくさんの魔族。
魔族の多くは弱っていて、死が近い者もいた。
それらが捕らわれた状態でいる中、自由に動き回る者もいる。当然捕らえて居る者達だ。
「来い」
一人の人間が引っ張られて、連れて行かれる。
必死に抵抗するがびくともしないのは、捕らえた者達は人間に擬態しているが魔族――しかも魔人だからだ。
人間は大きな炉の上に連れて行かれる。
「いやああああああああ!!」
叫び声と同時に炉に落とされる人。
「これでいいか」
次に老いて弱った魔獣をその中に入れる。
ガシャ ガシャガシャ
動く音。
そして、
「失敗か」
炉から取り出されたのは、魔力の塊。そうただの塊にしか見えないだろう。
魂と言う概念がなければ。
「壁に回せ」
責任者らしきものの指示で、その塊は土壁の材料と混ぜられる。
「……」
魔力の無い者は分からない工程。
だけど、魔力がある者なら予想が付くだろう。
この工程は、
(生命の錬金……)
怒りがふつふつと出てきては抑え込む。
土壁にされた魔力から魂と言うものが感じられる。
人間と魔族。二種の魂が土壁の中に捕らわれて、人間の意識のまま、魔族の意識があるまま壁として過ごす。
私なら、耐えられない。
そして、これが失敗なら成功したモノもいるはずだ。それは。
視線をあちらこちらに向けて探す。きっとどこかにあると確信して。
「………見付けた」
と言うか、どうして気付かなかったのだろう。
あちらこちらにいる黒い鎧。
魔力を感じていたのに、まさかそれが作られた魔族だと思わなかった。
「アカネ」
別れたもう一人の自分がこちらに向かってくる。
「”ここに居なさい”」
命じるとともにある場所に向かう。
そう、領主の屋敷に―ー。
伏線拾えるかな




