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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
魔王になりたい者
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領主の屋敷

なのに領主は出ていない

  第38話  領主の屋敷

「………」

 どうしてこうなった?

 豪華絢爛な食堂。

 見た目も美しいお食事の数々。

「………」

 もう一度言おう。

 どうしてこうなった?


 それは、宿屋に全員集合した時だった。

「おやっ? もしかして…」

 宿帳に名を書いていた商人風の男性が、勇者とその連れを見て、

「もしかして勇者様じゃないですか?」

 本人自覚無いだろうけど、地声が大きくその声は宿や全体に響いた。

「そうですが…」

 どうそてそこで認めるんだ勇者。

「やはり、そうでしたか!! お久しぶりです。以前××で(地名の様だが聞き取れず)助けてもらった○○(名前だったので伏せる)です。あの時は本当に助かりました!!」

 名前は神聖な物じゃなかったっけ? この人堂々と暴露してますけど。

 商人が勇者の手を取り、ぶんぶんと振り回して気が済んだのか部屋が決まったのか居なくなると、

「ゆ、勇者様ですか!?」

 と興奮したように出来上がる人だかり、

「勇者様!!」

「勇者様!!」

 あ、なんかデジャヴ。人混みの中心に居る勇者達。その人混みを何とか擦り抜けて、他人のように振る舞う私。

 騒ぎはどんどん大きくなって、

「何があった!!」

 と黒い鎧の集団が宿の入り口から入ってくる。

 鎧……?

 戦争してないのに?

「……領主様の私設警備軍だ…」

 ひそっ

「あの特徴ある鎧はそうだよな」

 ひそひそ

 入口の向こうでそんなひそひそ話が聞こえる。

「どうした? 何があったと聞いている!?」

 人混みの中心に向かって行く一瞬。

(魔力? でも、今のは……)

 鎧には人が持つには大きいのにそれが幾重にも術を掛けて隠してある。

「………アカネ」

 そう、人に擬態した魔族のそれに似ている。でも、鎧だ。

(鎧型の魔族なんて創ってないが)

 他地方に居たかな。でも、そういう寄生型は、寄生しないと移動できないというデメリットの方が目に行くので、創らなかった気がする。

 …………ちなみに植物系魔族は種の段階で運んでもらっているので気付かれにくいと教えて貰ったが。

 アカネは狐型。狐のイメージは幻覚などの相手を騙すものだ。

 念のため私の存在を偽装してもらう。

(……魔族に会ったらすぐに正体バレるのだけは回避した方がいい気がする)

 ただの勘だが、そうして偽装してやり過ごそうとしたが、

「勇者様とはいざ知らず。申し訳ありません」

 あれっ、

 気が付いたら領主のお屋敷に招待されていた。


 どうしてこうなった?〈大事な事なので三回言いました〉




領主の登場は次回

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