ある魔人のくつろぎ
久しぶりに幕間フェルテオーヴァ
幕間 ある魔人のくつろぎ
老人の姿をしている魔人はのんびりとお茶をすする。近くには、猫によく似た魔獣やら、熊によく似た者。牛に似ている者。なども居てのんびりと日向ぼっこしている。
「”主さま?”」
そこを一人の獣人が話しかけてくる。
「”どうした? ヴィア?”」
名は上の者に呼ばれるのは名誉。だが、
「”主さま。いちいち名前呼ばなくてもいいよ”」
軽くあしらわれる。
魔獣達は大事な話なら立ち去ろうと思い、腰を浮かせているので、居ていいと伝えるように手を動かしていく。
それに安心して再び日向ぼっこを再開する魔獣達。
「”我が君の行かれたところって私達が逃げてきたところですよね”」
心配そうに告げるヴィアに、
「”あの方を心配するのは勇者相手だけでいい”」
「”………………でも、今あのお方勇者と共に居ますよね”」
「”……………………………………………あの方はあの方で何か考えがあるんだ”」
と目をそらして告げる。
「”………ところで、ヴィア”」
「”おじいちゃんと言うのは人間が入り込んだ時しか言いません”」
「(´・ω・`)ショボン」
「”……………………………………主?”」
「”………孫が冷たい”」
「”……孫になったつもりもないですけど”」
魔獣の一人を抱き上げて、
「”聞いてくれ。バーシャ!! この薄情な孫を!!”」
「”だから孫になってません”」
私は主さまの側近であって、孫じゃないと叱り付ける。
「”(ノд-。)クスン”」
「”………さっきから解読できない言語使ってませんか?”」
「”……いや、たまたま。名前で呼んでいいと言っているのに呼んでくれない部下がいて”」
「”……………………主。格下に名を呼ばれるのは不名誉とか。下手するとこちらが消滅するの忘れてませんか?”」
「”許可したら消滅しないが”」
「”許可出し過ぎです!!”」
まったくこの上司は。
まあ、その人柄ゆえ穏健派と呼ばれ、魔王の側近になったのだが、
「”我が君が帰ってきたから王位はいらないし”」
弱い者を守るために多い争いの名乗りを上げたので、魔王が戻ってきたので、のんびりと寛いでいるのだった。
次号は真緒様帰ってくるよ




