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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
魔王になりたい者
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疑問

勇者はフラグを回収したと思っている

  第37話  疑問

 シトラとのんびりしてて遅くなったけど、そう言えば宿はどこにしたんだろう。

「………って、今がチャンスじゃないか!!」

 これで勇者と別行動。これで自由――。

「あっ!! 居た居た!!」

 ………………………………そう上手くいきませんね。分かってます。分かってましたよ!!

「遅くなったから探しに来たよ」

「アリガトウゴザイマシタ…………」

 棒読みになるのは仕方ないだろう。誰も頼んでない。

「遠慮しなくていいよ。俺と君との仲だし」

「…………………………………」

 そんなものになった覚えがない。

 何かエスカレートしてません?

「……新庄さんはこの街を見てどう思った?」

 勇者の問い掛け。

「………」

 何を言いたいのか分からないので黙秘をする。

「いい街だよね。魔物も管理すれば共存できる。この街からすると魔物でも動物の様だ」

「………牙を抜かれ、爪は折られても?」

「仕方ないんじゃない? 大きな力は人を傷つける」

 使い方を教えればそんな事も無いだろうけど、人の言葉が分からないし。

「………」

 さっきのシトラと魔族達を思い出す。もしかしたらと古代文明の言葉を歌にしてコミュニケーションを取ろうとしていた。

 言葉は完全ではなかったけど、あそこには友情と呼ぶには薄いが繋がりがあった。

 私は、人を生贄として取りながら、人の事を学ぼうとしなかった。

 ……言語が変わった事も。生贄の意味が伝わらなくなった事も。気にしてなかったし、気付いてもいなかった。

「新庄さん。その魔獣の事だけど、このまま連れて行くつもり?」 

 案じるようなずっと気にしていたの事を触れる様に、

「このままだと新庄さんが危険だと思うんだ!! だから」

「……手放せ? 鎖を付けろ? 殺した方がいい? どれ?」

「あっ……!?」

 勇者は答えない。いや、どうにかした方がいいとは思っていたがその方法を考えてなかったのだ。

「……手放して、アカネが凶暴な魔獣になって、人に危害を加えるかもしれないね。湯島君の判断の甘さで」

 性格悪いな。自分。

「鎖を付けて能力を封じても万全じゃないからもし自由になって、恨んで暴れるかもしれないな」

 最悪の事態をあえて言っていく。

「殺してみる? 私が恨むのは些細な事だからね。でも、まだ人を襲ってない魔獣を襲うかもしれないで殺すのは勇者のする事じゃないだろうね」

 アカネを庇うように寄せる。

「じゃあ、新庄さんはどうしたいの?」

「……私は」

 しまった。つい力説してしまったが、世間一般では私の考えって異端だった。でも、

「……人の言葉が分からない。コミュニケーションを取れないというのは、誰が調べたの?」

 責める声ではなかった。言っていく内にどうしてそんな考えが一般的になったのか疑問になったのだ。

 言語が変わった事。人の考えが変わった事。

 私が無関心過ぎたのもあるがここまで変わる物だろうか……。

「……」

 とそこまで考え、

(あっ、変わるわ)

 と学校で学んだ歴史を思い出して、産業革命とか。近代化を思い出して、そんな結論に達してしまった。

なかなか話が進まない

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