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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
魔王になりたい者
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魔獣使い

本当は昨日書き終えたかった。

主人公出ません

  第30話 魔獣使い

 新庄さんが、魔獣使いかもと知った時。俺は内心の動揺を隠しつつ、べらべらと新庄さんにいろんな話をした。身の無い話と呆れられたかもしれないが、そうしないと動揺を隠しきれなかった。


 新庄さんには言えない。言いたくないが、俺は、人を殺した事がある。


 それは、一回目の旅の時だった。

「勇者。この街の領主が」

 話があると使いの者が訪ねに来たと告げられて、屋敷に招待したいと言われ、せっかく探した宿を発って向かった。


「お待ちしていました。勇者様」

 揉み手をして挨拶をしてくる領主の話は、お約束通り魔物退治。

 ただ、

「魔物を操る魔獣使いが一緒に居た」

 と話があり、

「魔獣使い?」

「その名の通り魔物の…魔獣を操る人間の裏切り者です」

 と教えてくれて、俺は、人間が魔物を使って悪さをするのが許せずにその魔獣使いを退治しに行った。


 あれは正しかった。魔獣使いは魔獣を使って人々を苦しめていた。だから、正義だと確信して倒しに行った。


 でも、新庄さんのチート能力が魔獣を操る魔獣使いなら、俺は、

「新庄さんを倒さないといけないのか?」

 宿の一室。新庄さんを除く全員に集まって貰った。

「………倒すのが当然です。魔物は存在自体が悪。魔獣使いもしかり。庇うのは難しいです」

 まず口を開くのは巫女。

「彼女は無意識です。無意識で自分の能力を使った者を裁けるかというと…」

 裁くという言葉は巫女は、新庄さんを悪という前提での話をしている。

「………」

 だけど、彼女にとっては無意識だろうな。巫女の使える神の教義では魔物は全ての悪。

 魔物使いもまた悪。

 ………俺もそう思っていた。

「能力を封じちゃえばいいと思うけど、封じ方によってはその人の精神を破壊する事になるよ」

 魔法少女の力なら何かできるかと思ったが、返ってきたのはそんな意見。

「例えばの話。紙に絵を描いてみて、その絵が気に入らないから消すとするよ。で、消し方によっては、紙が悪くなるし、下手をすると破れる。魔力はそういうものだよ」

 その場合紙は新庄さん。絵が魔獣使いの能力と判断すればいいだろう。

「……まだ。新庄さんは自分の力に気付いてない」

 楽観的希望。

「だから……」

 まだ結論を出すのが早い。

 ……それは逃げだ。それは分かっている。

「勇者」

「その時は、俺が止めるよ」

 迷わないためにあえて口に出す。

「勇者様…」

 心配そうに声を掛けたのは誰か判断できない。だけど、心配かけさせないために、

「大丈夫だよ」

 と笑った。





実はゲームのイベントだと思ってたら好感度は下がるけどそこまでじゃなかった

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