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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
結界再生
256/290

本編じゃ絶対触れないけど、勇者達の繋がりは濃いです

  第237話  絆

 最初話があると呼ばれた時。

(うわっ!! 新庄さんと二人きり)

 とドキドキしたものだ。(遠い目)


「流石勇者だね」

 と褒められた時は喜びで、舞い上がり――いや、実際に踊っていた――その時の新庄の冷たい眼差しに少し悲しくなった。


 まあ、それはともかく。


「巫女は大丈夫だよ」

 守る必要が無いと告げた矢先に怒りを顕わにした新庄の姿を見て。


「新庄さんって、本当に魔王だったんだね……」

 分かっていたけど、改めて実感したというか。

「何で?」

「――正直なところ。俺が知らされていた情報は、魔王は悪で、俺を召喚したのは女神ユスティの力。そんなところ」

 今回の旅で知らされた事実の方が多い位だ。

 

 慎重に怒りを抑えつつ――どこか怯えているようなのは何でだろう――こちらを胡散臭そうに見てくる新庄に――その眼差しもいいな――。

「新庄さんは仲間は庇護する対象なんだろうけど、巫女も魔法少女も女騎士も俺は守らないよ」

「湯島君!!」

「――いくら勇者でも所詮人だから」

 その手で守るには限度がある。


「俺は言ったんだ」

 危険だから。死にたくないならついてこなくていい。

「彼女達は言ったよ。――守られる気は無いと」

 足手纏いにはならない。

 そう誓った。


「新庄さんは魔王。王と言う孤高で民を守る立場だった。だけど、俺は勇者信頼できる仲間と力を合わせて協力はするが足手纏いにならないように共に行動するようにしていた。だから――」

 ――だから。


「俺は巫女を信じてる。そして、巫女が手助けを求めたら手を貸す」

 それが俺たちの絆だ。


「………」

 新庄は黙っている。


 もしかして呆れた!?


「あっ、その、この、生意気を言うけどっ!?」

 不安になって、慌てて言い訳を口にしようとしたが、

「いや……」

 呆れてないからと手を振られ、

「………正直なところ今まで空気を読めない勇者だなとは思ってたけど」

 があぁぁぁぁぁぁぁぁぁん


 ショックだ。かなり。


「仲間想いではあったんだな。空気読めないけど」

 だから、さっきから空気読めないって、

「一応褒めてるんだけど」

「………俺も新庄さんが魔王だとしみじみ思ったよ」

 人の心を抉る攻撃。悪気が無いからなお性質悪い。


「――じゃあ、湯島君は」

 話を戻された。

「巫女が危険でも助けないよ。――まあ、巫女一人が襲われる可能性は低いと思うけど」

 一緒に行動するから。


「………湯島君のその楽観的な考えがあるなら未然に防げるかもね」

「そうでもないよ」

 魔王化だっけ?

 魔王に成り掛けていたから気付けたのだ。


 魔王は孤独だ。

 その孤独に耐える立場に自分は向かなかった。

 常に仲間と考えて意見を出し合っていたから出来た事だ。


「………こんなのに殺されたのが実は腹立たしかったんだけどね」

 恨んではなかったけど。苦手意識はあったけど。

「まあ、今は認めれるな」

 自分を殺した存在として。


「うん。その言い方はこっちの心臓抉るからやめて」

 さっきからダメージを受けていた。

 お願いだからもうやめて。

 そう言いたくなった自分は悪くない。



魔王と勇者の戦いはここで行われています。

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