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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
結界再生
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真実と虚構

書いてて面白くなかった。

  第233話  真実と虚構

 巫女は…自分が巫女だと思い出した女性はその世界を冷静に見極めようと目を凝らす。


 奴隷の少女は生贄になった少女を自分が想像した存在。

 ――かつての自分なら生贄になって不幸になったと想像したのだろうが、実際には不幸になってなかった。

 末路は不幸だったが、彼女は王を憎んでなかった。恨んでなかった。


 貴族の少女は女神になった。

 ありとあらゆる不幸が襲ってきて不遇の死を迎えた。それでも人を救った聖女だったと神殿で教わったので自分の聞いた女神と言う存在と神殿の定義の女神がごっちゃになっての彼女の像だった。


 そこまで考えて悩む。

 何をさせたい。

 どんな答えを求めている?


 もう感情移入は出来なくなってきたその二人の創造の世界に居るのにそれに集中出来ず考え込む。


 ぱちん


 指が鳴るような音がした。


 それに気付いて顔をあげると再び暗転。


 目の前に勇者と自分達が現れる。


『これは……?』

 薄い膜の中動く勇者達――元魔王がこれを見ていたら『映画』だと突っ込む光景――の中自分の動きが不自然だった。

 勇者は記憶の中の勇者と寸分変わらない。

 女騎士も魔法少女も同様。


 だけど、自分だけ違う。


《きゃっ!! 怖い!!》

 魔物が襲ってきて戦おうとする勇者の背にくっ付いて勇者の邪魔をしない。

《気持ち悪い…》

 勇者達が倒した魔物を見ての第一声にそんな事を言わない。

《……⁉》

 怪我した勇者達を見て怯え、治癒も出来ないなんて事はしない。


 足手纏い。

 役立たず。


 こんなのわたくしではない。


 止めようと思うのに止め方は分からない。


 かたかたかた

 どこからか音がする。

 映像は進んでいく。 


 どこかの村に立ち寄った。

 魔物の被害で貧しい村。

《まあ、汚らしい》

 映像の中のわたくしが告げる。


 村人を傷付ける言葉。

 慈愛の欠片もない姿。


 神職などと思えない姿。


 これは何?

 もうやめて欲しい。

 こんなの自分じゃない。違う。


 自分は……。


《わたくしは勇者と共に行きます。――だって、勇者はわたくしを守ってくれるでしょう》

 

 映像の中の声が勇者に宣言する。


『違う……』

 それは以前の旅に合った事。

 危険が続き。勇者が自分たち三人に告げたのだ。

『ここからは自分一人で行く』

 ――と。


『駄目…』

 声が漏れる。

 大切な思い出。

 大切な記憶。


『汚さないで……』

 自分の中の宝物。

 あの時自分はこう言った。


 わたくしは……。


《あなたを守る力はないです。でも、貴方の心は守れます》

 映像の中の《わたくし》ははっきりと告げた。


 ばりん


 割れる音。


――合格ね

 告げる声。


 そして、

「気が付いた?」

 目の前には花畑が広がっていた。




さて合流合流♪

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