女神の試練(笑)
心理テストは何を選んだらこのゴールに行くのかと分岐点で遊ぶのが楽しい
第229話 女神の試練(笑)
巫女とユスティが見つめ合っている。
「……」
正直、退屈である。
――面白い娘ね
そう言いつつも苛立っているのは気のせいじゃないだろうな。
――盲目的で、盲信で、それなのにわたくしの望みとは違う選択をする
不愉快だと伝えてくる。
「ありゅじ…?」
止めた方がいいのかとアカネが心配そうにしているが面白そうだからこのままにしておく。
――本当に危険だったら動くつもりだけど…。
(足手纏いにしかならないけどね)
ユスティの神経を逆なでしそうだが。
――でも、名の束縛の危険性がある
くすくす
――ここで奇跡を起こしたんだから、わたくしの次のあの者らの玩具はこの娘かもね
あの者ら……。
「……高位の者は動かないのか?」
――傍観中。あの者らにとっては搔き混ぜて面白くしてくれるなら口出さない。世界が滅んでも、魔族と人間が共存してもあの者らにとっては面白い事なのよ
情報提供してもらえるとは思ってなかった。
――まあ、正直なところ。中途半端で終わらせられるのなら封じられるけど、もうここまで世界が混乱しているのなら手を出さないでしょう
あくまで楽観的な意見だが、
「そうか…」
――今も面白がって見てるわよ。人間になった魔王とその魔王を滅ぼした女神の会談を
視線を感じるし、
「そうか……」
やっぱり分からない。
―ー話は逸れたわね
ユスティは巫女をまじまじと見る。
――勇者の仲間で一番頼りにされていた
巫女に向かて囁く。
ぴくっ
巫女が反応する。
――女神に選ばれた勇者と女神に使える自分こそが勇者に相応しい
ぴくぴく
小動物みたいな反応だな。うん。見た目は可愛い。
(ウサギみたいだな)
全体的に白い服だから余計にそう見える。
(でも、ウサギと言えば、シヅキが正統派ウサギの魔人だからな)
一つ間違えるとバニーガールになるけど。……間違ってないか。ウサギ(バニー)娘だし。
シヅキの方が可愛いか。
脳内で巫女とシヅキの対戦をして退屈を紛らわす。因みに勝敗を分けたのは耳が有るか無いかだったりする。
ケモ耳は正義だ。
「…………」
話を戻そう。…何か脱線ばかりしてると怒られそうだ。
――でも最近。勇者が頼りにしているのは同郷の小娘ばかりだ
びくびくびく
(何か…心理テストみたいだな)
はいかいいえの矢印を選んで進んで、貴方の○○は××ですって診断される奴。そんな感じの質問だな。
ああ。あの心理テストであなたのお薦めのデートスポットが全く行きたいと思わない所を進められてどういう基準だろうと首を傾げた事あったな。
――それが憎らしい。悔しい
「……そうです」
あっ、かなり追い詰められてるな。
「そうですよ。それが何かっ⁉」
あっ、逆切れ。
――いや、別に
女神は笑う。意地悪く。
――わたくしにはこれがいいかもしれないですね
何を言い出すのか。
――魔王
「今は魔王じゃないけど」
――なら、獣の王
「それも過去の名前かな」
――……なら、異界の娘
「まあ、そんなものかね」
名前で呼んで欲しくない――どうもあの子と同じ顔で呼ばれるのが嫌とか、色々過去の因縁あるから深く関わりたくないとかいろいろあるのでそれくらいが妥当だと伝えると。
――この娘の名の束縛の危険性。消したくない?
「まあ、消したいけど……」
その方が危険性が減るし、あの変態に捕まりたくない。――うん。あれは恐怖だ。
――わたくしも借りを借りっぱなしというのは癪なので、特例を与えてあげましょう
別に貴方の為ではないですよ。――ツンデレゴチになります。
「――特例ねぇ~」
何考えているのやら。
「あの…」
――まあ、そういう事なのでただであげるのもつまらないので試練をあげましょう
やりたくないという答えは聞いてません。
そう言い切ったユスティを見て、どこかの紫の子を思い出す。
「えっ、えっと…」
「受けたら。加護くれるって」
本人そっちのけで話を進めるので巫女が戸惑っている。
「でも時間少ないから。早くしてね」
完全な結界の再生をする前に魔王城に戻りたい。
――そう掛からないわよ
そして、本人の同意ないまま試練を与えられた。
「がんばれ~」
巫女の身体が倒れる。どうやら精神世界での試練のようダ。
巫女の身体を支えつつ、さて、待っている間何してようかと考え、
「うん。――そうしよう」
近くの花畑に巫女を寝かして、花冠を作成しだした。
真緒様は時間がないって言っている割に楽しんでます




