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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
結界再生
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女神の再登場

目的も無くなったから燃え尽き症候群な女神ユスティさん

  第227話  女神の再登場

 結界もこれで再生するし、城に戻ろうかなと転移の方を準備していたら。

「巫女…?」

 巫女の動きが妙なのだ。

 

 まさか、名の束縛――。


 辺りを見渡して警戒すると。

「ありゅじ」

 アカネが何かに気付いて指差す。


「んっ?」

 指差された方を見るが、分からない。

「何かある?」

 アカネが嘘つくわけないし、魔力が無くなったから感じられなくなったモノでもあったかな。


「女神です」

「そっか、女神か…って、女神って…⁉」

 ラシェル?

 それとも……。


――わたくしですよ

 目の前にユスティが現れた。


 ➡たたかう

  にげる


「じゃなくてっ⁉」

 何でこのタイミングで⁉


 まさか……。

「結界の再生を妨害しにっ⁉」

 来たんじゃと言い掛けるとアカネが攻撃をかませる様に――いや、実体無いから攻撃出来ないから――構える。


――してどうするの?

 あれっ? 何か反応が…。

――ここまでやったらもう無理でしょう?

 疲れた……。

 疲労感たっぷりで告げてくる。


 何があったんだろう……この憔悴っぷり。

――神殿は大混乱よ。もうわたくしが手を出さなくても崩壊するわね。復讐は終わりそう……

 あら、そう言う事になっているんだ。

「司祭は……」

――さあ、どうすればいいのか考えているみたいだけど。丁度その時に勇者の足取りがつかめなくなるわ。貴方が逃げるわで、動くに動けなくなっているみたい

 面白がっている。だけど、面白がるだけの気力もない。そんな感じだ。


 正直に聞こう。何があった?


 あんだけ復讐復讐復讐言っていて、世界が滅ぶのを期待していたのにどうしてここまで憔悴した。


――何もないわよ……

 溜め息。

    ・・

――……あれがね

 あれと言うのが、もう一人のラシェル。あの生贄になって、死んだこの事だというのはすぐに分かった。

――あれが一瞬現れたのよ

 現れたって、

「何時…?」

――さあ? それで言ったのよ。もう辞めようってね。『憎んでも疲れるだけだよ。憎んでも幸せになれない』なんて、諭すような口調。相変わらず不愉快だったわ

 ああ。言いそうだ。あの子なら。

―ーで、さっきもあの生贄の女神も同様な事を言ってきて不愉快なのよ

 憎んで疲れたのは事実だからこそ腹が立つ。

 そんな感じだな……。


「…ラーセルシェードが掛けた呪いを無効化する」

 名を使っての言葉。

 うん。これ位なら出来る。


――貴方……

 不幸になれ。そう呪いを掛けた。でも、あの子はもう許している。


「私の事を憎むのは仕方ない。だけど、民はもう許してやってくれないか」

 もしかしたら…あの子はユスティを自由にしたくて私の中に居たのかもしれない。

 あの子の遺言かと思うともう、いいかな……。


――勝手よ!! お父様もみんなもわたくしよりもあの子ばっかりでわたくしを見る者なんていない!!

 あの子。か……。

「ようやくあの子を人として見たんだね」

 今まで《あれ》と呼んでいたのに、

「――わたくしは貴方様を見ます」

 声がした。

「――貴方様は否定すると思いますが、わたくしは貴方様に救われました。貴方様が偽りの神だと言われて迷いましたが、わたくしは常に貴方様の存在を支えにしてきました」

 巫女が必死に言い募る。

「だから、もう幸せになってください!!」

――・・・・・幸せにって…

「神になっても幸せは手に入ると思います」

 ……綺麗事だ。

 でも、魔王わたしの言葉よりも響くだろうな。


 傍観に徹する事にする。見せてもらおうか。人が神に起こす奇跡を――。 









巫女のヤンデレが世界を救う!?

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