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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
新たなる加護
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結界が発生する事で起こる事

残酷シーンはカットしてます。

  第207話  結界が発生する事で起こる事

 ばらばらになった四肢をそれぞれ別の箱に入れる。

「これを指名した場所に置いてこれば結界は復活する……」

 だよね。と勇者が不安げに尋ねてくる。


「……そうだよ」

 まさか自分が死んだ後に、自分の死体の処理の仕方を言うとは思わなかったなと若干目を逸らして説明する。


「――結界はいつできるの?」

 冥王が尋ねる。

「設置が完了すればすぐかな。一応、移動が簡単なように転移術を組み込んだ部屋を用意して、設置場所にすぎに移動できるようにしてあったけど」

 転移室どこだっけな。大分前に作ったから場所を忘れた。

「――そうか」

 神妙な顔の冥王。そして精霊王と末っ子。

「精霊王様? どうしたんですか?」

 精霊王の巫女として連れ回されたので、精霊王の表情の変化にいち早く気付く、

『――ホンに可愛らしいのぅ』

 妖艶美人からキラキラの王子様タイプに変化して、

『連れて帰りたくなるな』

 するっ

 顎に手をやる。


「……」

 顎くいですね。乙女の夢の。

 王女の顔が赤らんでいますよ。

「千華葉珠……」

 つい正式名で呼ぶと、精霊王は動きを止める。


『はいはい。もうしない。――やはり名の束縛はないな』

 魔力が無くなったから口にしたら死ぬかと思ったけどな。

「ああ。そういえば…」

 ぴんぴんしてるな。

「魔力は無くなっても同格なんだね」

 冥王が興味深げに見てくる。

「そうか……」

 こんな形で実証できたけど、無意識で口にしていたから危なかったな。

(死亡フラグ立ててた)

 冷静に考えると恐ろしい事していたな。


「精霊王様!! 話を逸らさないでください!!」

 王女が顔を赤らめたまま――乙女モードだからか怒りからかどちらか判断できないが――文句を言ってくる。

『誤魔化しは通用しないか』

 降参。そう手を挙げて告げ、

『――わ』

「――僕達は結界が復活したら強制的に追い出されるんだ。まあ、加護を与えたから本体と切り離した力の一部は置けるだろうけど」

 精霊王が言おうとしたのを遮る様に冥王が告げる。

『冥王…』

「茶番は好きだけど、時間が少ない時は付き合えないな。――必要な情報を言わないといけない時はね」

 冥王が告げ、女騎士に、

「君に一応加護を与えたからね。僕の力は使えるよ」 

 そこまで言って、しばらく何かを考えて――唐突に針と糸。そして布を取り出す。


 ちくちくちく


 母さん(冥王)が夜なべをして~♪

 ぬいぐるみ編んでくれたぁ~♪


 いや、夜なべもしてないけど、そんな感じでキモ可愛いぬいぐるみを完成させた。

 ってかこれ、デフォルメされた冥王ですね。うん。そっくり。


「人間を縫い合わせた事あるから裁縫は得意だよ」

 …………………冥王ジョークですね。

「針はその後消毒した?」

 一応確認しておこう。

「うん。熱湯消毒もしたし、アルコールもしたよ」

 ああ。安心して、この針は新品だから。


「とりあえず…そんな特技があったんだな」

 やや現実逃避気味に告げる。


『こっちは種ぐらいだから安心しろ』

 精霊王がイケメンボイスで王女の耳元に囁く。

 ああ…、王女が声にやられて腰を抜かしているな。

「って事は、小型化?」

 二頭身のチビ姿か。

「それだと姿はころころ変えられなくなるな」

『――ええ。移動も自分じゃ出来なくなるので不便だわ』

 また妖艶美人に戻る。

「今はその姿が気に入ってるみたいだな。それにする?」

『そうじゃな…』

 迷っている精霊王。


「――僕は追い出されません」

 魔法少女に竜の末っ子が伝える。

「そうなの?」

「――はい。逆鱗を渡してあるからすでにこの地域に留まる権利を得ているのです」

 帰る場所はここという感じだから追い出しても戻って来れるのだ。


 そんなわいわいと説明している中。

「………」

 じっとこちらを見ている魔人三人。――特にリムクラインの視線に気付いてなかった。


冥王。趣味は裁縫

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