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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
外の敵
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たじたじ勇者

勇者の怖いもの

  第21話 たじたじ勇者

 王女の方に行ってと言われても…。

「殿下」

「勇者様♡」

 わざわざ来てくれたのですね。

 嬉しそうに笑っている王女に一体なんで新庄さんは行けと言ったんだろうか?

「殿下。いろいろと手伝ってくれてありがとうございます」

 お礼を告げると、

「殿下なんて他人っ行儀なフリージアとお呼びくださいと申しましたのに」

 ぐいぐいと迫られて、つい逃げ腰になってしまう。

(いつもと変わらないのに新庄さんは何で…)

 王女は美人だ、傾国と言われて、生贄にされたのも納得できる美人だ。

 ……王女を救出して、婚姻の話が合ったけど、まだ16の俺にその話は早いと断ったけど、

(肉食獣というか……肉食系ってこういうのを言うんだなと思ったんだよな)

 正直魔王より怖かった。

 この世界では名前は対等か身分が上の者しか言えないと教えられたのに呼ぶように告げられたし。

「あれっ?」

 その時になって、王女がいつもと違うのに気付く。

(いつもより迫ってきてない……)

 いつもなら、二人きりになると押し倒されそうになるのに……。

 

「何か、ありましたか?」

 つい、訪ねてしまう。 

「………なにか。とは」

 返事が遅い。

 ああ、何かあったかな。いつもなら、間髪置かずに。

「はいっ!! 勇者様のお心を留める方法で悩んでました!!」

 という感じに話が流れていく。


 でも…、

「殿下?」

 心配になって顔を覗き込む。すると、王女は顔を赤らめて、

「だっ、大丈夫です!!」

 と凄い勢いで返される。

 流石にしつこくしたかなと反省すると、

「私は……」

 小さく呟く、

「殿下? どうし……」

 訪ねようとした声は、止まる。

「勇者様…?」

 どうしたのかと王女は、勇者の見ている方向を見る。

 

 そこには、数人のエルフの姿。

「………」

 エルフだと喜んでいた勇者の姿は無い。

 村を襲ったという情報が彼を勇者としてその場に立たせてる。

「勇者様……」

「気付かれないよう。そっと離れて」

 その声はやや命じるような力ある声だった。



勇者の活躍は少し待ってね

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