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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
新たなる加護
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救出劇

の始まり始まり

  第198話  救出劇

 クーが何かに気付いて頭をあげる。

「……!!」

 声帯を持っていないのがもどかしい。そんな焦りで必死にそれを伝える。


 ――それでも声帯が欲しいと思わないのはそうであれと創造主である真緒が作り出した自分に不満が無いからだ。


「どうした……」

 人間である勇者には伝わらない。だが、

「真緒様が!?」

 同僚である同じ魔族のリムクラインには伝わった。


 ざわっ


 その場の空気が変化する。

「……そうか。なら、今が機会だな」

 身内でだけで理解できる話をしている様に色々突っ込みたい。何がどうしたんだと尋ねたいが、口を挟む空気ではない――勇者が尋ねても返ってくるのは冷たい氷のような一瞥だろう。

 ………………敵意とか殺気が強くていくら空気の読めない勇者でも空気を読んでしまい、発言が出来ないのだ。


 だが、今回はそんな勇者に頼もしい味方が居た――。


「――何がどうしたか。話してくれるよね?」

 にっこり

 その効果音がここまで似合わない存在が居るだろうか。

 子供のようにあどけない姿で、恐怖政治を行う、魔族の王の一人――冥王の雰囲気には一介の魔人などたち討ち出来ない。


「………」

「…………」

 リムクラインとアカネ――クーの意思を受け取れる二人の魔人は後に主に、

『我が君に再会する前に消滅するかと思いました!!』

 と話すのだが、それを見ていた当の本人に、

『主君相手に主君の友人の悪口を言うのって、臣下としての品位を問われるよ』

 と窘められる。

 だが、今はその主君との再会は叶ってない状態で……。


「…………我が君を捕らえていた気配が離れたと」

「助けりゅのなら今の内」

 魔人二人の言葉に、


「――よし、行こう」

 やっと、勇者らしい事が言えた。

 最近勇者なのに大事にされてないのが続いたからホッとする。

「「「はい。勇者」」」

 そうだよ。これだよ。このノリだよ。

 まだ自体が今一つわかってない巫女も条件反射で言ってくれたみたいだけど。やっぱり勇者はこうじゃなくちゃっ!!


 久々に味わう。勇者の………物語の主人公らしい雰囲気に感激して涙が出てくる。


 それを見ている魔王二人と魔人三人。龍と王女は。

『まだ英雄願望抜けてないのか?』

「――あれくらいなら許容範囲じゃない?」

 勇者の反応でまだ魔王化するのかと観察している魔王達。

「…………いたぶり過ぎたか」

「……あれくらいで?」

 涙目になっている姿に罪悪感は一切無いが弱い者の扱いは慎重にしないといけないなと考えを改める魔人二人――勇者と言う立場で考えると自分達より強者なのだがその事は一切考えてない。

「……魔法少女さん」

「…………わたくしはあちらに加わった方がいいのでしょうか」

 同じ人間ですから。

 仲間に入れず寂しそうに眺める龍と王女。


 奇妙な空気が支配した。


「――で、どうやって行くんだ?」

 勇者の空気を壊す発言があるまで――。

勇者。このまま空気を読めないボケに進化するんだ!!

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