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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
新たなる加護
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強制的に叩き起こす

ギャグ回です。何といおうがギャグ回です

  第195話  強制的に叩き起こす

 勇者が生贄の女神との別れを惜しんでいる頃――。


「………」

 リムクラインは焦っていた。囚われの主を想って。

「……」

 アカネは心配していた。同じく自分達の事で一杯一杯でいる勇者達をほかって助けに走りたいほど――。

「………」

 クーは二人を気遣っていた。

 クーの足は未だに主の腕に絡み付いているので主の状態――起きているか眠っているかは当然だが、体温。体調。脈拍。呼吸諸々――を常に確認していられるが、それでも内面は探れない。

 だから二人に対して安心させる事が出来ない。


 ……………一般的感覚ではそれで充分だろうと返答が来るだろうが。


 クーはさっさと起きないそいつを見る。

 そいつが起きないから事を起こせないと散々聞かされて、待ちきれない主を慕う同僚二人が暴走しないかと心配している身としては当たり散らしたいと思うが主は諜報を重視して作ったので、その手の能力は全く持ってなかった。


 主の意向が無ければ、無視して同僚達を案内して主を助けに行けるのに――。


 魔族は欲望で強くなった種族。欲を押さえろと言われても我慢と言うのは苦手なのが多い――我慢した方が楽しみが増えると言われれば耐えられるが、今回の場合は長引いたら主がその分危険になると判断できる。

 耐えるのにもそろそろ限界が来る。


「……」

 クーはゆっくりと――別に故意ではない。クーの外見で素早く動けないだけである。因みに本来の姿の方が早く動けるが、距離を考えると姿を戻して動くのと歩くのにさほど時間差は無いと判断しただけだ。

「………?」

「……クー?」

 同僚二人がクーを見る。

 別行動が長すぎて、クーと言う種族は最近――それでも何か月か経っている――生まれたばかり。分からない事が多いので、クーがどんな動きをするのか判断付かなかったのだ。


 ましてや、クーは戦闘能力は皆無である。だから、


「………」

 クーの身体の一部が本来のクラゲ姿に戻って、巫女を持ち上げる。

「……」

「………」

 同僚二人の目が点になる。


 クラゲの足を器用に動かして、巫女を逆さまにぶら下げる。


「えっと……」

 勇者が気付いて声を掛ける。


『何かあったかえ?』

「精霊王様……」

『わらわには何が起きておるのか分からないのじゃが?』

 いろんな外見にころころ変えて、王女と言う存在を得た事で動きが自由になったが、元々盲目の精霊王は何が起きたか分かってない。


 ……………やってる行いが盲目と言う範疇超えてる気がするが…………。


 あっ、ありのままに起こっている事を話すぜ。

 信じられないと思うが、あのクラゲの魔人が巫女を逆さまにぶら下げて、振り回して、逆上がりの様にあげて、バットの様に振りかざしたりして遊んでいるんだぜ。


「………」

「…………」

 同僚二人はただ見守る。

 勇者は口を挟まない〈挟めない〉

 冥王は面白がっている。

 女騎士は現実逃避している。

 精霊王は分かってない。

 王女は説明した。


 こんな感じだ。


 ――そして、一通り遊んだ矢先。


「うっ………!!」

 振り回されまくったせいで、青ざめた巫女が目を覚ます。


 ……………………――その巫女がその後した行為で玉座の間は汚れたとだけ明記しておこう。

 

リム「真緒様の居城を汚した!!」

アカネ「……」(無言で掃除道具を持ってくる)

勇者「……掃除します」

クー「……」(エチケット袋を用意しておけばよかった)

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