王女様の事情
自分のしたことの結果
第20話 王女様の事情
「さっきはありがとう」
旧友達の話が終わったタイミングで声を掛けられ、そこには、恥ずかし気な王女。
「さっき?」
何かあったかな?
「………動けなかったの。教えてもらわないと」
ああ、水と食料を用意してと伝えたな。
「……私だって殆ど役に立ってないよ」
勇者とか――正式には巫女――はたくさん動いていたけど。
「……これじゃだめなのに…」
あれっ? 王女ってこんな人だったっけ?
確か…我儘で、美人なのに性格が最悪……。
「………しかないのに」
「殿下…?」
「わたくしは、勇者様の役に立つしか道が残されていないのに」
ぼそっと呟かれた声。
それだ告げて去っていく姿。
「………」
「新庄さん? どうしたの?」
「……私よりも王女様の方に行ってあげて」
追い詰められている。そんな気が…。
「んっ? 分かった?」
本当に分かっているのかなと不安になるが信じるしかないか。
流石に空気は読んでくれると思う。……読むよね。
「……あの。事情を知ってますか?」
一息ついている三人に訪ねてみる。
「……」
何で、あんたと口を聞かないといけないのと冷たい視線にぶつかる。
……………その空気が怖い。
「……」
「……」
しばらく流れる沈黙。
「…王女は」
根負けしたのか、女騎士が口を開く。
「勇者と結婚出来なければ、修道院に入るのが決まっている」
「勇者に助けられた王女。それは、あの方にとって捕らわれていたという事実があるという事」
女騎士に続いて口を開くのは巫女。
「魔王に捕らわれていた女性を好き好んで婚姻したいと望まないし、外交のカードにも使えない」
魔法少女すら、そう告げてくる。
「あの方は、我が国の弱みになっているのです」
なるほど。
つまり、魔王に傷物にされた王女を貰ってやるからこの条件を飲め。というのもあるのか。
女性を何だと思っているんだ!!
原因作ったの私かもしれないけど、うん。それは謝る。
じゃあ、勇者の役に立ちたいというのも自分の可愛さもあるのかな。
「………」
自分の事しか考えない。そう、責める事は出来たけど、何となく、境遇が似ていると感じてしまった。
(まあ、王女からすると魔王と同じにされたくないか)
他力本願だが、そんな彼女を救えるのは勇者しかいないだろうな。
恋心は受け入れるか。それとも、
「……勇者の言葉で彼女の名誉を回復させれるといいけど」
そこまで上手くはいかないか。
勇者のターン




