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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
新たなる加護
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奇跡の始まり

一人の女の子と一人の王が出会った事

  第194話  奇跡の始まり

「待てない……」

 焦りで不機嫌になっている魔人が呟いている。

「真緒様…」

 助けに生きたい。だけど、勇者に頼らないといけない。その事実が苛立ちとなっているのにその自分が行けないのに行く事が出来る立場の勇者の仲間の一人である巫女が起きないので足止めになっている。

 

「いっそ殺してしまったら……」

「だから、それはダメだって、一寸の欠けもない状態で、正当性を見せ付けないと」

 冥王が止める。

「少しでも付け込む隙を与えたら勇者なんて一瞬で口で負かされるよ」

 世間を味方にしないと。


――その事だが

 生贄の勇者が口を開く。

――そろそろここに留まるのも限界に近付いてきた

 現世に降臨と言う奇跡を起こしての協力だ。長時間留まってはいられない。


『戻って大丈夫かぇ。封じられたりは?』

――………大丈夫だと思う。彼の方々は面白くさせるのならどれだけ暴走して求めない。ユスティがいい例だ

 精霊王の言葉に返答する。

 ……………先日封じられていたが、それは遊戯を邪魔したから他ならない。

―ー話を持ち出して途中で抜けるのは申し訳ないが……

 勇者に詫びると勇者は気にしてないと首を振り、

「ここまで協力してくれてありがとうございます」

 …………勇者としての正当性を見失い掛けていた。

 迷いが、勇者から勇者では無いモノに変えて行った。


 それを止めてくれたのはここに居る者達だった。


――私の名はラシェル

「えっ…!?」

――何かあったら呼ぶといい

 呼ばれれば力を貸せる。

「………」

 神の名前。

 ユスティの名はしつこい位呼んでいた。

 それが間違っていたと気付いたから躊躇いが生まれる。


――加護を与えたからもしもの時に動けないと意味が無いあろう。……あと

「あと?」

 何かあるんだろうか。

――ユスティを助けてやってくれ。……私と同じ名を持つ子の願いだ

「?」

 同じ名を持つ子?

「………意味分かりません」

――そうだな。……私と同じ”ラシェル”と言う名を持つ子が居る。その子があいつを…獣の王を非力であるが守っている

 獣の王って……。

「新庄さん……」

 ぼんやりと尋ねる様に、口に出す。

――ああ。ユスティの双子だ。あの子がすべての奇跡を起こしたと言ってもおかしくないな


 倒された魔王の魂を転生させたのも。

 倒した勇者と倒された魔王が異世界で出会う事も。

 異世界で育った魔王がこの世界に戻ってくるのも。


――あの魔王候補は自分の欲が叶えたと言い出すだろうけど、私からすればそうではないと思う


 全ては、たった一つ。

 何も持たなかった弱い少女が、大好きな存在の願いを叶えたかっただけ。


――あの子は聖人じゃないから恨んでいるし、憎んでも居る。だけど、不幸を喜ぶほど非情じゃない

 だからこそ。救ってほしいと願った。環境の違いと言う不幸で分かれてしまった片割れを。

「………」

 そういう事情を教えられて戸惑うが、それに対して何を言っていいのか迷っている隙に女神は消えていく。


「卑怯だ……」

 言いたい事全て封じてから去っていったのだ。ああいう話題を持ち出して。

「神って卑怯だな」

「そう言うものだよ」

 冥王のフォローがフォローじゃなかった。

故ラシェルちゃんの出番がここまで増えるとは思わなかった。しかもまだ出番ある予定

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