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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
新たなる加護
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新生

勇者は強くなりました

  第192話  新生

 しゅっ

 しゅたっ

 

「すっげ…」

 女騎士と打ち合いをしてみるが今までよりも体が動いている。

「あたしもだ」

 女騎士の方も前より力が増していて――嫁の行きてが見つかるか心配になるくらい強い。


「城を壊すな」

 山羊の魔人――名前を教えてもらってないがリムって言われている――が苛々しながら注意してくる。

「凄い精巧な術式……」

 うっとりと魔法少女が玉座を見つめている。

「さわりゃない方がいいよ。危険だかりゃ」

 キツネの魔人が告げる。

「…………まだ起きないですね」

「ここまでくるとそう言う術を掛けられているのかと思いますけど」

『そう言う気配は無いようじゃが』

「まあ、起きてもまた気を失いそうだけどね」

 王女。龍。精霊王。冥王はまだ目を覚まさない巫女を囲んで口々に反応を確かめている。


「――参った」

 女騎士と打ち合いをしていたが女騎士の剣を力任せに吹っ飛ばして決着がつく。

「えっと、生贄の女神様……」

 生贄の勇者とか、生贄の女神とか呼ばれている女神に声を掛ける。

「巫女……リジーは起こせないんですか?」

一応――どんな手段か不明だが、尋ねたら『知らない方がいいよ』と告げられた――生命を維持するための栄養は送られているけど、起きない。

 …………もう5日だ。

「起こすね……」

「起きたくないのを起こしてどうする?」

 魔人二人が呆れたように告げてくる。

「……辛辣だな」

 どこか面白気に冥王が告げるが、

「生きたいと言う欲が無いモノを生かしてどうするんだ?」

 魔人の常識では生きたいなら行きたいと欲を見せる物らしい。

(これは、日本の延命処置見せたら一笑しそうだな)

「………」

 水色の髪の魔人は何も言わない。

 元々言葉を発する機能が無いとの事だけど、

「君は…どう思うの?」

 せめて別の意見を聞きたいなと思っていると、

「……」

「説得して見ればいい。とクーの意見だ」

 クーと呼ばれた魔人は頷く。

「………」

 ぱくぱく

 口が動く。

「真緒様は今必死に抵抗している。時間が無い。………いつまでもお前達を待っていられない」

 ……………勇者と言う存在。そして、それを彩る仲間達。


 魔人ではだめ。

 あくまで人ではないと――。


 そう告げたのは冥王。

「魔人を連れたら勇者は《勇者》じゃなくなる」

 魔王化している司祭を討つ。それが冥王。精霊王。龍帝。そして、生贄の女神の加護の条件。

 冥王の加護はローゼル――女騎士に。

 精霊王の加護は、フリージア――王女に。

 龍帝の加護――正式にはその息子だが――はパイシャン――魔法少女に。


 加護があると言うだけでも――バレないだろうけど――危険な綱渡りなのに、魔人と行動をしていたら揚げ足を取られる。


 冥王の考えはこうだ。

「司祭と名乗っている存在は神を偽って操っていた真の魔王。勇者はそれを封じられていた女神を助け出して真実を知る。そう言う筋書き」

 勇者が倒してしまった魔王は世界を守る結界を張り続けていた存在で、司祭はそれが邪魔だったので魔王と呼んで倒させた。

「君が正義だと言うのは民衆を動かす大事な条件だよ。そのためには魔人は行動できない。リム達は獣の王を助けたくても動いてはいけない」

 そして、司祭を倒してから共存を望む。魔族と呼ばれてしまった種族と平和協定を結ぶ。


「嘘ばかりだな……」

「嘘も方便。あちらもそれで動いているんだし」

 傀儡になるんならそれくらいしてもらわないとね。


 そのため、誰一人欠けてはいけないの判断の元。最後の一人巫女の目覚めを待っていた。

 




超サ●ヤ人並みに強くなってもらいたいけど、そうすると力に溺れるタイプだよなこいつ。

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