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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
三人目の魔王候補
190/290

傀儡の勇者 その3

話が脱線してます

  第174話  傀儡の勇者  その3

 何か今冥王が妙な事を言った気がする……。

 生贄の女神って、生贄の勇者と名乗っている方だよな。


――後輩。勇者の剣を取り出してみろ

「んっ?」

 勇者の剣? 魔族を倒すにしてもここに居る魔族って……。 

 視線の先には、山羊の魔人とキツネの魔人。


―ー違います

 即答。

「そうだよね」

 じゃあ、この件を取り出してどうするんだろうと剣を取り出しつつ、

「あれっ!?」

 剣が軽い。


 まじまじと剣を見る。

 装飾品があちこちひび割れていて、ぼろぼろだ。

 もしかして、さっきから聞こえていた割れる音ってこれだったのか。


 ぼろぼろの装飾品は僅かな力で剥がれ落ちる。

 宝石とか金とか華美な飾りが多かったけど、剥がしてみるとシンプルな剣。質素過ぎて練習用の剣と大差ない物が現れる。


――本来の勇者の剣はそう言うものです

 生贄の勇者が説明する。

「――見目良くしたのは人間だろうね。勇者と言う存在がどんな輩でも飾り付けるためにね」

 死ねば同じなのにと冥王の言葉に最後はいらないなと思いつつ、

「あっ、軽い」

 軽く振ってみたが今までと同じ剣のはずなのに馴染んでいる。

『飾り立てて使いにくくさせるとは本末転倒じゃな』

 精霊王の突っ込み。

「確かに……」

『それでも倒されるのじゃから』

「――獣の王も」

――油断し過ぎだな

 何か獣の王がフルボッコだな。


「リムクライン……」

「――真緒様を…」

 そんな話をしていたら回復完了した山羊の魔人が立ち上がっているのが見える。

 その傍にはキツネの魔人。


「二人とも、どこに行くつもりなの?」

 にこにこと尋ねる冥王。

「――決まっている!!」

「怪我も回復した。ありゅじを助けに行く!!」

 答えるだけでもましなのだろう。二人はさっさとドアから外に出ようとして、


 ――足を止める。


『せっかちなのは嫌われるぞ』

 いつの間にか精霊王が男性の姿に変貌している。

扉には蔦。棘もあり重厚な扉が何百年も封鎖された趣の扉に様変わりしている。


 ――まるで、おとぎ話の荊姫の様だ。


『気持ちは分かるがお前らなら一瞬で消される。相手は魔王候補だ。一回の魔人じゃ敵わない』

「それでも、真緒様を助け出せます!!」

 男性体の精霊王がいつの間にか魔人二人の前に立ち塞がって――……。

 あれっ?


(二人いるように見える……)

 王女の傍にはいまだに用塩ビ世姿の精霊王が居る。でも、この男性体は精霊王だろう――この筋肉隆々姿は見せてもらったし。――何より魔力が同一だ。


「………」

 勇者は 考えるのを 放棄した

 つい昔のゲーム風な事を思ってしまう――ちなみに勇者の目は死んだ魚のようなものだった――。


「真緒様に救われた命です。ここで散らすのも本望です!!」

『――阿呆あほう

 精霊王の冷たい眼差し。

『ラーセルを悲しませるのか』

 静かな口調。

「――大事な者を喰らうラーセルは見たくないな。ましてや、今のあいつは人間だ。どんな影響が出るか分からないし」

 冥王もストップをかける。


 考えるのを放棄した。ので、精霊王。冥王。それに噛み付いている魔人の内容を気にしない様にする。

 新庄さん(?)が名乗っていた名前を口にしている時点で、この二人(?)は知り合いという事だけど、どんな知り合いか知りたくない。

 ……………知ると危険な気がする。


――現実逃避したいところ悪いが

 空気を読んでくれて、あえてそれをぶち壊す。

――新庄真緒が、かつてお前が倒した魔王――ラーセルシェードだぞ

 うん。そんな気がしたんだ。

 だけど、

「今は聞きたくなかった………」

 と返すのが精一杯だった。



真緒「早く私の方がどうなってるのか触れてほしいけど(#^ω^)」

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