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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
外の敵
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見た目に騙されてはいけません

本当なら朝上げるつもりだった

  第18話 見た目に騙されてはいけません

 エルフと別れて、エルフと――獣人――が来た方角の方に行ってみると、そこには小さな集落があった。

「ひどい…!!」

 燃やされた家。けがを負っている人もいる。

「癒しを――」

 巫女が酷いけがを負っている人々を回復させ、女騎士は浅い傷の者を応急処置していく。

 魔法少女はまだ燻っている火を消していくのを眺めつつ、私はそっと、人間の体にある自己治癒能力を一時的に高めておく。

 勇者が、けが人を安全なところに運んでいくのを王女はどうしていいのかオロオロしている。

「水と食料を用意してください」

 けが人を手当てしやすいように移動させ――救急法習って良かった――王女にお願いする。

「わたくしに命令」

「してません。お願いしてます。慈悲深き王女殿下」

 そう宣伝しているなら動いてくれないと。

「ま、まあ、いいでしょう」

 顔を赤らめて答えると馬車を利用して、近くの川を訪ね、向かっていく。 


「何があったの?」

 一通りの事を終えて、勇者が訪ねると比較的軽傷だった村の責任者の一人が口を開く。

「実は…」

 話を聞くとああやっぱりと思ってしまうのは、私が、この世界をおとぎ話と勘違いしていないからだろう。

「そんな……」

 勇者の知っている知識はゲームや漫画とかだ。

「エルフが……」

「……」

 

 話は、簡潔にまとめると耳の長い――エルフだけど。念のため魔法少女が話の内容を映像化する術で見せてくれた――人間が襲ってきて、それを魔物が――あのカピパラの獣人だ――助けてくれたとの話だ。

「逆じゃなくて?」

 本当に魔物が?

 信じられない。信じたくない。

 そんな反応をしている勇者を見ていると、今がチャンスじゃない! と気付く、気付く、

(今なら、解放される)

 こそ。

 一歩、後ろに下がる。

 気付いてない。

 一歩、また、一歩。

 

『離れて、もらっては困る』

 不意に声が届く。しかも、今の声は、

『久しぶり』

 集落の中心にある神殿。

 その隣にある大樹にちょこんとのっている。……日本で見た事のあるお社に似た何か。

 そこに一人の幽霊。

「………勇者!!」

 気が付くと自分の周りに結界が用意されていて、周りに気付かれないようになっている。あまり長持ちしないようだが…。

 霧を作ってほしいと頼みに来たあの勇者。

(なんで、お前が…!?)

『また、お願いがあってね』

 お願い…。

(この勇者の事か?)  

 正解と。意地悪く笑う顔。

「ラシェル?」

 つい生前の名前で呼んでしまうと、

『高位の者の悪ふざけから守ってほしい』

 私にそこまで頼むな。そう、結界があったら人目に引いてしまうような叫び声をあげてしまった。


寝る前にもう一話上げれるかな?

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