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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
三人目の魔王候補
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真なる勇者

せっかくハーレムだったのに解散してます(ざまぁ)

  第171話  真なる勇者

 何かが割れる音。

「…? 今、何かが割れなかった?」

 周りを見渡すがそれらしきものは無い。

「? 何か音がしたの?」

 魔法少女が首を傾げる。


 術の痕跡。

 魔力の名残で攫われた三人の行く先を魔法少女と龍の末っ子が調べている。


「なんて芸術的なんだろう…」

 ほぉとため息を吐いている魔法少女の視線の先は精巧な玉座。

「魔力の流れをスムーズにするために組み込まれた技巧。その繊細さ。ああ、前回調べなかったのが悔やまれる」

 恋する乙女の様に――そう言えば告白されてしまったけど、どう答えよう――玉座を見つめ、その造りを褒め称える姿は魔法オタクとかマニアと陰で言われていたのを思い出させる。


「玉座には触れない方がいいですよ。魔力をごっそり奪われますから」

 末っ子が魔法少女の動きを気にして時折制止させてる。

――うん。術の痕跡探す作業止まってるよね


「真緒様……」

「リムクライン」

「真緒様。ご無事だろうか。酷い目に合わされてないだろうか」

「ありゅじは無事なのか分かりゃないけど、今は回復しにゃきゃ」

 魔人二人は必死に回復している。


 …………………山羊の魔人がさっきからぶつぶつ新庄の名前を言っている様が何となく怖いんだけど。


「精霊王様…」

『わらわはこの地に詳しくないのでのぅ。掴めないのじゃ』

 すまないのぅ。そう詫びてくる精霊王。


「あの…精霊王様」

 やる事も無く――察して欲しい。術を調べている魔法少女と龍の息子。治療中の魔人二人。そして、精霊王と王女。……今現在ぼっちになっているのだ――同じ様に待機中である精霊王達に――そうワンセットだ――に近付いて――精霊王は自分のお気に入りに近付く害虫を見る目をしているのに流石に気が付く――尋ねる事にする。

『何じゃ?』

 ああ、無視されないんだ良かった。と安堵しつつ、

「さっき、一瞬だけ現れたのって……」

 渦の中から男が現れた。あれは――。

『単刀直入に言うがよい。まどろっこしいのは好きではない』

 そう返されて、

「じゃあ、言いますけど……あの男は術で見せてもらった聖人じゃなかったですか?」

『分かっておるじゃろう』

 ……偽りの聖人。巫女曰く、教祖。


 魔王――獣の王を悪と言う印象を与えた存在。

 災厄を起こした張本人でありながら被害を抑えた事で聖人と崇められた存在。


「……新庄さんは、リジーは、ローゼルは無事でしょうか………?」

『知らぬ』

 助けないと。

 目的は不明だけど、良くない事が起こるのは必至だ。


 勇者おれが助けないと――。


 ばりん


 再び、何かが割れる音。


 そして――、

「勇者……」

 魔法少女が、龍の末っ子が、魔人二人が。そして、精霊王と王女がこちらを――俺の後ろに視線を送る。


 そこには、銀色の――月のような光が出現して。


――ようやく、会えたな

 と、軽装ながらも鎧に身を包んだ女性が現れた。 



お久しぶりの某神です。

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