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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
三人目の魔王候補
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名の支配者

ラスボス登場?

  第169話  名の支配者

 その声は脳内に直接響いた。


――ロ-ゼル・シェルティア・キセル

 その声が女騎士――ローゼルの動きを封じた。


――シンフォルニア・リジエル・タスクフェイト

 次は巫女――リジーの動きを。


――リ=パイシャン・コルクシェイラ

 次は魔法少女。だが、彼女の動きは何物にも拒まれなかった。


――名の支配を譲渡した故か

 脳内で響く声は仕方ないと告げる様に、


――私の声を聞く者よ。彼の魂の器を捕らえよ

 命じる声。

 二人の瞳から感情が消え去り、人形のように虚ろな瞳でこちらに――真緒に近付いてくる。


「リジー!! ローゼル!!」

 勇者が名を呼ぶ。

 その声に反応して二人の瞳に理性の色が戻るが、

「逃げて下さい!!」

「身体が勝手にっ!!」

 二人の声がしたがすぐにまた虚ろの瞳に戻ってしまう。


 がしっ


 二人の身体が真緒の動きを封じる。

 必死に抵抗しようとするが、すでに魔力が無い。平和な日本でぬくぬく育った女子高生が、サバイバル生活を当然としてきた女性二人に敵わない。

「真緒様!!」

 リムクラインが助けようと手を伸ばす。


 だが、

―ー汚らしいごみ虫が

 声がそう告げると室内にも関わらず雷を振り落とし、リムクラインを攻撃する。

「リム!!」

 リムを助けようと手を伸ばすがその手は届かない。


「ありゅじ!!」

 アカネが走り出すが、見えない壁が出現してアカネの足を封じる。


 タスケテ

 声が届く。

 身体ガ自由ニ動カナイ

 意識ガ封ジラレル


 操られている二人の目から涙が零れている。


「リジー。ローゼル!!」

 勇者が二人を助け出そうとしているが勇者の剣は魔族以外には反応しない。

 勇者はとっさに、あの武器庫の武器を呼ぼうとする。


――あの武器を使うと魔王に進化するが構わないか? 勇者?

 脳に響く声が、勇者の動揺を誘う。

――ふふ。いい反応だ

 二人に押さえ付けられて完全に身動きが取れなくなり、必死に足掻いて暴れるがびくともしない。


 そして――、


「ようやく会えましたね」

 黒い渦巻きが目の前に――何者の影響を受けない魔王城の内部にも関わらず、渦は大きく広がり、真緒事――いや、真緒が目的だったのだろう――二人を包んでいく。


「真緒様!!」

 雷に遭い、それでも助け出そうとして動くリムクライン。

 必死に壁を破壊しようとするアカネ。


 そんな皆を嘲笑う様に渦から一人の青年が現れて、二人を操ったまま真緒を連れ去る。


「真緒様―――――――!!」

 リムクラインの叫びが城内に虚しく響いた。

真緒「誘拐されるってお姫様ポジション!!」

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