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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
三人目の魔王候補
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ようやくの情報整理

今日は投稿出来ないと思いました。

  第168話  ようやく情報整理

 どう説明すればいいのか。

 そう思いつつ、


「――落ち着いた?」

 と、勇者一行に尋ねる。


「あっ、いや……」

「まだ。落ち付いてないと言われてももう待てないから」

 はっきりと告げて、

「――魔族の代表として尋ねるけど、どうしたい」

 単刀直入。

 正式にはもう魔族の代表と言えないかもしれないけど。


「かつてのように魔族の王を倒す。……言っとくけど、今玉座は空だから」

 倒すべき対象は居ない。


「この騒乱の原因。――もう理解できてるよね」

 国同士の争い。

 他の領土からの侵略。

 魔族の暴走。


「ああ……俺が、勇者が、魔王を倒した事だな……」

 認めたくない真実。だけど、どんな気持ちの変化か勇者ははっきり認める。

「―-正式には、その後のフォロ-かな。魔王が倒されるのはそういうシステムだけど……」

 死にたくないのは本音だけど。

「大体察してると思うけど、魔王が死んだら結界が消えるんだ」

 この地域を守る結界。

「俺に維持しろと……」

 その通りだ。

「……最初はね。新庄真緒わたし湯島正樹ゆうしゃ二人召喚ばれたのはいくら勇者と呼ばれても人に維持させるのは辛いから二人で交代制にさせるつもりだったのかと判断したんだよね」

 もしそうならいい神だと思った。けど、

「魔物の勇者だと言って消し掛けてきたから何かあると思ったけど」

 自分の勇者を魔王にしようとするのがおかしい話だ。


「………龍達が」

「んっ?」

「龍達が散々言ったんだ。偽りの勇者と」

 勇者の言葉に何か言葉を返した方がいいのかと思ってしまうが、こちらの言葉を求めてない独白だと気付いて口を紡ぐ。

「最初は分からなかった。だけど、俺のした事を俺が否定するんだ」

 俺が否定……?

「”魔王の精神世界が構築された……?”」

 大分魔王化が進んでいる。


 魔王と言う存在になる道筋の一つに精神世界の構築がある。

 ラーセルシェード(わたし)は狼だった頃からの進化の過程の私が現れて、最終的には魔王だった頃の私に会えたけど、勇者の場合はどうなんだろう。


 召喚される前?


 そんなある意味関係ない事を思っていると、

「そいつが延々と俺を責めて、腹が立ってそしたら…」

 女神が…………。


「…………昔。魔王が呪いを掛けた娘が居た」

 不幸になれ。

「彼女は不幸になった。魔族に襲われて苦しんで死んだ」 

 それで終わりになると思った。

 そのつもりだった。一応。


「だけど、呪いは死後もかかっていた」

 そう告げる。そうとしか思えないのだ。今思うと――。

 あの時、魔王を倒しに来た勇者の背後に見えた女神。

 魔物の勇者と告げて襲わせようとしていた女神。

 そこには私と言う存在に対する憎悪が強かった。


 だけど、不幸と言うのは?


 まだ、彼女を不幸にする効果があるのだろうか。


 分からない。


――分からなくていいですよ

 どこからともなく声が響いた。

うん。なんか疲れる話だった。

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