真緒様は面倒になった
一応これでハーレムと再合流
第167話 真緒様は面倒になった
前回までのあらすじ
正体ばらしたけど信じてもらえない。
もう隠したままでいいよね。
「………とりあえず乗っ取ってないから」
「同意の上か。……新庄さんがこの世界に絶望して引き篭もるのも仕方ないか」
……………なんか私凄い設定にされてるんだけど。
ってか、面白がってないでフォローしろ精霊王!!
面白い事には乗るモノよ
乗るな!! さっさと領土に帰れ!!
欲がなきゃ魔王なんてしてらんないわよ。娯楽と言う欲を見付けちゃったし
確かに欲だけど、この件は首突っ込まないと言ってなかったっけ?
あらっ、龍帝とか冥王が居るのに仲間外れ?
あいつらはたまたまだ
アイコンタクトで会話をして――どうでもいいが性別とか変え放題なのに今のこいつを見てるとオネエにしか思えない――軌道修正をするのを押し付け合う。
ってか、このまま黙ってれば?
その方が都合いいじゃないのかと告げられて、
「……」
それは確かにと、思った。それだと全て都合がいい。
だけど――。
・・
「……それをした結果がこれでも」
少なくとも女神と冥王にとってはそこから付け入る隙になるだろう。
隠していたから女神が魔物の勇者なんてとんちんかんな事を言い出して、勇者が魔王化して来たんだろう。……そういや、魔王化止まってるな。一時期やばかったのに。
女神は詳しく知らないけど。冥王はそういう性格だ。
『まあ、そうね』
そう相槌を打つ精霊王。
「あの…精霊王様……」
「魔王…?」
「魔王じゃないわよ」
かつてはそうだったけど、今は違う。
「見た目のままに呼べばいいけど、……呼べないんだよね」
まだ、本人だと思ってないみたいだし。
正直、ここで止まるとは思ってなかったから説明するのも面倒だし。
「ラーセルシェード」
「えっ?」
「私の呼び名。…一応のね。ラーセルって呼んでくれればいい」
呼ぶ事を許した。
前世と言う縛りがあるが名は間違ってないし、愛称だから偽りを言っているわけではないから名の縛りは与えないだろう。
……………少し前だったら勇者と魔王で同格だったけど、今はどうなってるんだろう? 魔力が無くなった人間の魔王と魔王化が進んでいる勇者は。
本当は新庄さんと呼んでくれればいいんだけど。
…………新庄真緒の名前は縛りが無いんだよな。不思議な事に。
あれかな。名の縛りの無い世界だからかな。あっちの世界は。
気付かなかっただけで、勇者の…湯島君の名前もそうだったのかな。
「………」
試してみてもいいかもしれないけど、うん。そんな気分じゃない。
それに一応、名の縛りで魔王化を防いだと思うし危ない橋には渡りたくない。
そんな勝手な事を思いつつ、勇者の反応を見る。
……………いい加減話を進めたいという本音もあったが――。
真緒「合流しない方が平和だったな」




