第三者からのアドバイス
実はこの話はシトラ達と別行動する前に入れようと思ったけど、止めました。
第154話 第三者からのアドバイス
「……」
ばちっ
ばちばち
夜の闇の中。ぼんやりと――睡魔と戦って――火の番をしている。
「勇者。交代だよ♪」
魔法少女が起きてきて声を掛けてくる。
「ああ」
返事をして、やっと眠れると横になろうとするが、ふと、
「なあ、魔法少女」
呼び掛ける。
「なあに♡」
声を掛けられたのが嬉しそうに返事をする魔法少女に、
「………えっと」
呼び掛けたのはいいが自分は何を言おうとしたのだろう。
しばらく、考えて、
「そういや、何で、唯一の神なのに『女神』なんだと思う?」
無難なとこから訪ねる。
「それなら…」
魔法少女が杖を出して、
「聞こえてる? 聞きたい事があるから教えて?」
と声を掛ける。
すると――。
『今から火の番ですか?』
杖から声がする。確か、この声は…、
「龍の…」
末っ子だったはずだ。鱗を渡してもらったと言っていたから鱗を通して話が出来るんだろう。
(ハンドフリーの携帯みたいだな)
この両者しか繋がってないのならトランシーバーの方が正しいかな。
・・・・・・
「そう。でも、一人じゃ退屈だから。いつもの様に教えてもらおうと思って」
魔法少女の言葉に、どうやらこちらの様子は見えないみたいだなと判断して、さっきの声が聞こえてないといいなと口を閉ざす。
『構いませんよ。魔法の原理ですか? 魔力の上昇方法ですか?』
「それも心惹かれるけど、今回は神の事かな?」
告げると息をのむ気配。
『高位…神が接触しましたか?』
警戒したように緊張した声が届く、
「ううん。気になったの。貴方達龍が偽りの神と言っていたのを思い出して」
そう言えば、ユスティ様にそう告げていたな。
忘れていたし、その件を言おうとすると巫女が喧しかったので口に出せなかったのだ。
「でも、神が接触と言うのも気になるけど」
そうだな。神って接触するものだろうか。ユスティ様以外の神が。
『そうですか……』
杖の向こうでは迷っているような感情が伝わってくる。
『どういえばいいのかな~』
完全な独り言のように呟かれる声。
「言うのは難しいの?」
『そうではないですけど、それを教える当たって、そちらの神の話も詳しく聞きたいと思うんですが……』
その方が説明しやすいですし。
「ああ。なるほど♪ どこまで違って伝わっているのか分からないしね」
ああ。そういう事か。
『はい。僕は少ししかそちらに居ませんでしたので異なる文化を進んだのは理解できますが、どこまで違うのか判断できませんし…小兄上が今近くに居れば補足してもらえたかもしれませんが……』
小兄上ってあいつだよな。俺と一対一でガチバトルした。
『親爺様の命令でそちらに行ったついでに探索してましたから。たぶん詳しかったんですけどね』
そう苦笑して――そんな感じなのが杖を通して伝わったのだが――いる。
そして――。
『これは、僕の地域での話です。それを前提として聞いてください』
と、口を開いた。
龍の末っ子の再登場(声のみ)




