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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
諦める者
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武器庫の中に…

そろそろ真実を知れよ

  第149話  武器庫の中に…

 また、夢……。

 武器庫の中。

「また来たんだ。最近よく来るな」

 からからと笑う。そいつに。

「好きで来たんじゃない!!」

 悪態吐くのはいつもの流れ。

 それにそいつが肩をすくめるのもいつもの事。

 だが、

「――なら来るなよ。ここに来てるって事は魔王化が進んでいるって事だからな」

「えっ…」

 魔王化。

 魔王候補になったとか、次期魔王とかよく言われたが、

「魔王化ってのが進んでいるって……」

「自覚しろ。ここにある武器の実現化。それだけでも魔力が生まれていると言う事実を」

 馬鹿かと鼻で笑われた。

 それに不快になり文句を言おうとするが、

「無から有を作る。それは高位の者とそれに準ずるもののみしか出来ない事なんだぞ」

 高位の者?

「誰、それ?」

 問い掛けると呆れたように、

「一番分かりやすいのは神」

 あっさりと答える。

「えっ…………!?」

「その正体は、かつて勇者。または魔王と言われたもの」

「それはおかしいっ!!」

 勇者はともかく悪である魔王が神なんて!!

「人間と魔族の感覚を混合するな」


 げしっ


 勢いよく蹴り飛ばされた。

「何すんだ!!」

「それはこっちの台詞。魔王候補が魔族〈どうぞく〉を貶すな」

 同族って、

「俺は人間だ!!」

「なら、認識を改めろ。言っただろ。お前は魔王になっていると」

 呆れたように――物覚えの悪い子供をあやす様に――そいつは告げる。

「魔王になりたくないなら早々に候補から外れろ。……少なくとも他の二人はすでにしたい事を見据えて動いている。覚悟が無いのは居ても邪魔だ」

 魔王候補。

「次期魔王が居るのか!?」

 なら、勇者おれが倒さないと。

「……大馬鹿」

 ぼそりと呟かれた声。

「お前みたいな馬鹿を相手にしていくのかよ」

 もう疲れた。

「お前みたいって、なら相手しなければいいだろう!!」

 こっちだって、意味の分からない悪夢を見せられて、ドッペルゲンガーと対面するのに飽きてるんだけど。

 そう文句を言うと、

「そうしたいのはやまやまだけどな。お前は俺を何だと思っているんだ?」

 自分と同じ顔。ただそれだけ。

「――俺は、お前の分身だ。お前が見えてない。目を逸らしたい事実を伝えるために今はいる」

 見えてないって、何だそれ?

「分からないみたいだな。……勇者と煽てられ盲目になってる馬鹿餓鬼が」

 本当に分身だろうか。どうも胡散臭い。

 はっ、胡散臭い………!!

「魔物の策略か!?」

「なんでそうなる!!」

 ほんと馬鹿だなお前とそいつは反論をし掛けて、

「………………ここまで手出しするつもりかよ。女神様?」

 不快気にある方向を見る。その視線の先には、

「ユスティ様……」

 この世界の唯一の神が出現したのだった。



それにしても武器庫の中の勇者の分身は苦労してるよね

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