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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
諦める者
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もう一人の魔王候補の宣言

自覚無しの魔王候補二人の話し合い

  第148話  もう一人の魔王候補の宣言

 魔物が人々を助けてる……。

 少し前なら信じなかった情報だが、今の自分は信じられる。

「ただいま……」

 街の外れの森。

 女騎士と共にそこに戻ると魔人の二人が食事の用意をしている。

 そう、魔人。

 人ではないのだ。


「お帰り。食事の用意しておいたよ」

「これで足りると思いますが……」

 どこからか捕らえた魚。

 その魚にどこからか見付けた果実をソースにして、お好みで掛けれるよにしてあり、野宿のはずなのに何となく、

(うん。何となく……豪華だ)

 ああ、山菜とか、好みが味付けに使われていて美味しいな。


 巫女は最初味見とか言っていたはずなのに今ではその味の魅力にメロメロだ。

(それを言うと、神職に使える身で欲に負けるなどと…と騒いでいたな)

 その時、女騎士と魔法少女が、色欲に溺れているくせにと言っていたな。……よく分からないけど、好きな人でも居るのかな。

 と、………こいつ、典型的なハーレム勇者のくせに何言ってんだと真緒が居れば盛大に突っ込んでいるんだろうという事を考えて。

「いや、ありがとう。足りるよ」

 むしろ多いぐらいだ。それでも毎回残らないのは魔人二人が残った者を綺麗に浚えてしまうからだ。

 もしかして二人が足りないのかもしれないが………。

「他の二人は?」

 尋ねると答えるのはウサギ耳の魔人。

「調べ物があるそうです」

 ぴょこぴょこと可愛らしく耳を動かしながらの返事。

「調べ物?」

「はい。――魔法少女さんは、魔王と言う存在が本当に悪なのか調べたいと…そして、巫女さんは」

「魔王こそ悪だと証明したいと……」

 真逆の発想。

「女騎士は?」

 どちらに軍配があると思う?

「………さあ?」

 女騎士は無関心だ。どうでもいい。そんな態度に時折癒されるのは、どちらかを選べと迫られてないからだろう。


 そんな事を考えていると、

「俺からすると勇者の方が不思議です」

 虎の魔人――見た目人間と言うかかつて人間だった魔人が口を開く。

「巫女さんの反応の方が分かりやすいですよ。人間だったのに魔族に魂を売って化け物になったと」

 ………そう言えば、魔物ではなく魔族と言ってるな。

「えっと、………じゃあ、何で魔物になったの?」

 ・・

「魔族になったのはたまたまです」

 彼はそっと目を閉じる。


『幸せに……』


 囁かれた言葉を思い出す。

「責めるなら私を責めてくれと言われましたよ」

 生き返らせてもらえたのはたまたま。本当にたまたま。

 そう笑って告げ、

「でも、おまけの人生なら好きな事をしようと思って」

「好きな事?」

 一瞬だけ、警戒する。その警戒に気付いたのだろう彼は鼻で笑い。


「人と魔族の共存」

 それを目指してるとどこか誇らしげに告げた。





シヅキ「あたしはシトラの望む事を叶えたいだけでそこまで望んではいないけど」

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