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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
外の敵
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間違った歴史

王女様は大変な爆弾を落としていきました(勇者気付かず)

  第15話 間違った歴史

「徒歩での旅はお疲れになるでしょう。わたくしの馬車をお使いください」

 勇者の腕を取り、歩きながら、勇者に媚を売る王女。ちなみに馬車は徒歩の勇者を曳かないようにゆっくり進んでいる。

「わたくしはそこの足手纏いと違い。勇者様のお役に立つために学んできました」

 と、馬車の後ろに追いやられた私に向かって言ってくる。どや顔ムカつく。せめて、存在を忘れられていたら、そのまま雲隠れするのに。

 しようとすると、

「あれっ? 新庄さん?」

 とか、

「勇者の役に立つために鍛錬だ」

 とか、

「そこに鳥がいるから訓練かねて、捕まえて♪」

 とか、

「貴方の為に神の御言葉をお話しします」

 と、ことごとく脱走の機会を潰された。しまいには、

「勇者の希望がなければ貴方など連れて行かなかったのに」

 好きでここに居るわけじゃない。

「学んだって、何を?」

 勇者が訪ねると胸を張り――このメンバーの中だと大きく見えないな――偉そうに、

「この世界の歴史です!!」

 歴史……。

「歴史って、神が世界を作り…」

「霧のきっかけです!!」

 あっ、残っていたんだ。

「世界に勇者が現れて、それに怒り狂った魔王が世界を霧で覆った!!」

 ま、間違っている。

「え~。でも、魔物に知恵はないよ」

 魔法少女の呟きに、

「あっ、そうでした」

 王女はあっさり前言撤回してる。


 それにしても、何で、魔族が知恵がないとか言ってるんだろう。

「………サボっていたな。かなり」

 人間の事は把握しておくべきだったか。………知り合いの魔王に情報は武器だと言われたのを軽く流さなきゃ良かったな。

「何か言った?」

 勇者が訪ねるのに慌てて首を振る。 

「なんでもない」

 はっきりきっぱり言っておく。

「秘密主義だね。ほんと」

 そこも素敵だけど。と、ほざく勇者は無視しとく。

 それにしても、こいつは常にこんな感じだ。

(だから、苦手なのもあったな)

 どうでもいいけど、勇者の言葉にいちいち反応して先を向けないで欲しい。

「疲れた……」

「大丈夫!! 何なら殿下の馬車借りる!?」

 いや、辞めてくれ。

「わたくしの馬車は勇者様専用です」

 ツンっと断ってくれるのが安心してしまうのは実はⅯだったからか。

 いや、違うか。勇者にいいところを見せたくて目障りな私を気に掛けないといけない三人を見てるからか。

 考えてみると可愛そうな人達だよな。

「湯島君。そこまでではないから」

 さっさと断って、話を戻そう。そう、確か、歴史か…。

(高位の者のお遊びか?)

 奴らならやりかねない。

 勇者の召喚も奴らの助力無しでは出来ないし。

 もしかしたら、勇者が挑んできた意味不明な台詞も高位の者のアイディアか。やたら中二臭かったけど。

 じゃあ、今、何で、私を再びここに戻したのだろう。

「……」

 もしかしたら、この旅も高位の者の遊び…。


 そんな最悪な考えは、辞めよう。実際になったら嫌だし。

                 *

「あら、少し他の世界に置いたら面白くなっちゃって」

 誰も知らない。とある空間。

 勇者達一行を見物している者の一柱は、そんなかつての魔王の考えを楽しそうに眺めていた。




さらっと触れていた高位の者さりげなく出しちゃった。

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