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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
外の敵
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嵐は後からやってくる

真緒様の受難は続く

  第14話 嵐は後からやってくる

「魔王城って…?」

 何がどうしてそんな結論にいったのだろう。

「………俺さ。こういう時のお約束って、魔王城に秘密があると思うんだよね!!」

 ワクワク

 お約束って…。

(あるけどさ。その結論の入り方はどうなのよ!!)

 流石に女性陣も呆れて、

「流石です。勇者!!」

「魔王城か。盲点だった」

「魔術式に面白いのありそうだしね!!」 

「………」

 恋は盲目。あばたもえくぼ。突っ込みどころ満載なのに誰も疑問に思わないのか。 

 私。こいつらと行動したくないな。

 無理だけど。


「それに……」

「んっ?」

「魔王はなんで霧で覆ったのか知らないと気付いた」

 勇者……。

「何言ってるんですか。魔物に知恵があるみたいな言い方ですよ」

 巫女の咎めるような声。

「神は人にだけ知恵を与えた。神話に書かれています」

「そうだな。魔族には、知恵はなく何かの歪みで発生する。歴史書に書かれてる」

「人の言葉を話せないし、鳴き声も共通性がないし」

 何を根拠にそうなるんだ。

「……そういえば、言語チートにも魔物の声は翻訳できなかったな」

 ……。

(そう言えば、最初の頃の生贄はいろいろ話をしてくれたけど、後の方はしなかったな。斬り掛かって来たり、寝台に上がって、まな板の上の鯉状態だったり……)

 今更気付いたけど、

(昔の私。脳筋だったからな)

 遠い目をしてしまう。

「それにさ。魔王の呪いとやらなら俺が魔王城に足を踏み入れたら一斉に襲ってくると思うんだよね!!」

 そこから新たなステージというのもあるし、隠しキャラが出てきたりするし、特殊イベントというのも期待していいだろうし。

 隠しキャラ…特殊イベント…。

 ゲーム脳だと呆れればいいのか。

 いや、それよりも。

(そのパターンだと私がそれに当て嵌まるんですけど……)

 そんな自分の立ち位置に、嫌気がさしてくる。


 からから

「んっ?」

 何か近づいてくる。

「どうしたの?」

 勇者達はまだ気付いてないが、この音は、

「馬車の音…」

「勇者様~♡」

 馬車が見えてきて、馬車から身を乗り出している王女。王女っ!?

「殿下!? なんでここに!?」

 あっ、さすがの勇者も動揺してる。

「――わたくしは王女です。民のため、国のため、旅の共に加わりに来ました」

『待っていたら、勇者様とお近付きになれないじゃない。民のためとか言えば好印象だし』

 ……何か、副音声が聞こえるんだけど………。

「志しは、ご立派ですが、危険です」

『足手纏いですし、ライバルが増えたら困ります』

 巫女の声も副音声で聞こえるな。

「お気持ちは分かりますが、殿下は、殿下しか出来ない事をして下さい」

『立場的に殿下の恋路を手伝わないといけなくなるじゃないか!! 冗談じゃない!!』

「王様に止められたんでしょ♪」

『いくら親馬鹿でも止めるよね』

 

 てれれーん

 真緒様は読心の術を覚えた。

 真緒様の経験値が30上がった。(ただいま現実逃避中)


 信じたくないけどどうやら人の心が聞こえるみたいだ。

(前世にはなかったよね。この力。何で転生してからそんな力を手に入れてんのよ!! 今の私はただの女子高生よ!!)

 内心かなり動揺してるが、周りがそれどころじゃないので気付かれない。

「それに」

 ちらり、

 こちらを見てくる王女様。

 いやな予感が……。

「そこの方よりはお役に立ちますよ」

 と告げてくるので、

「ああ。うん」

 断る口実を失い、黙ってしまう勇者。そして、三人から、

「「「お前のせいで……」」」

 と睨まれる事になった。

次回は真緒様の負担を減らしたいな…

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