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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
諦める者
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二人の事情

この二人に癒され中。

  第133話  二人の事情

 シトラとシヅキ。

 二人はずっと結界があった境目で侵略者達を説得して――時には武力行使で結界の有った辺りの外に追い出していたが、ここ最近侵略者が境目から現れなくなった。


 侵略者はまだ現れる。

 魔族達の情報網で、植物と龍は撤退しているのは聞いたが人間と、アンデット系は変更はない。

 それでも、入ってくるはずの境目には現れない。


「原因を調べたいと思う…」

 危険は承知で人の街に向かって歩いて、ばれないようにひっそりと魔王城周辺に来たのだが…。


「勇者……」

 こちらは戦いたくないがそうも言ってられないだろう。戦闘になったらシヅキを逃がさないと。

「常に共に。――そうでしょう。シトラ」

 逃がそうとしたのがばれてしまった。

「ああ。そうだったね」

 真緒がくれた本来なら消えている筈の存在。

 おまけのような人生なら愛する人と共に居たい。

 例え、恩がある真緒が離れろと言っても離れる事は無いと言える。


「いい人生だったね」

 勇者相手だ。敵わないだろう。

 こちらは本音を言うと戦いたくない。だけど、勇者は戦う気がある。

 おまけの人生だが、シヅキとの人生を楽しみたいから簡単には死にたくない。


「………」

 勇者は攻撃してこない。

 迷っている?

 そう思っていたから。女騎士の言葉。


 助かった事に感謝する。

 だから、このアンデット達の対応を頼める。


「異郷の魔王…・・冥王の支配地では人は死んだらアンデットと言う冥王の部下になるようにされているそうで」

 集めた情報を開示する。

「それから逃れるために、この地域の物になれば防げる…とある存在の心臓を喰らえばいいとデマが広がってるんです」

 そうとある存在。

「魔王と魔王に次ぐ強い魔族……」

 魔王は勇者が倒した。

 では、次ぐ魔族。

「それで、……魔族は強い者の方が人間に近い外見をしているという事で街が狙われているんです」

 そこまで説明して、勇者の協力を得られればいいのだが、

「――分かった」

「勇者!!」

 巫女が止めようとする。

「それこそ勇者の役割だろう」

 笑って告げる勇者。

 それに安堵する魔法少女。顔こそ出ていないが、女騎士も同様だった。

「従うのですか?」

 不満気なのは巫女。

「そんな魔物に!!」

「――後悔してるんだ!!」

 遮る様に、勇者が声をあげる。

「勇者……」

「新庄さんを…救えなかった事」

 それは勇者が漏らした本音。


「………そう言えば、マオさんは?」

 今気付いたとシトラは尋ねる。彼女は確か正体を隠して勇者達と共に居たはずだ。

「それは……」

 言い澱む。勇者に嫌な予感がした。

女騎士の出番を増やしたい…。

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