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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
諦める者
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贈り物

偶然だけど、この時期(お盆)にゾンビネタって…どこぞの戦隊ものお約束のような

  第131話  贈り物

 倒す。

 立ち上げる。

 再び、倒す。

 再び、立ち上がる。


「切りが無い…」

 巫女が浄化――アンデット系は神の祈りが通じるはずだからと告げたのだ――を行うが浄化も通じてない。

「有効な手段が無い…」

 女神の祈りで作られた勇者の剣で倒している筈なのに、それですら倒せない。


 おかしいだろう。こういう物の王道パターンは聖なるもので倒せると言うのがお約束のはずなのに。


「落ち着け」

 焦る勇者に声を掛けるのは、女騎士。

「私は、この手の魔物を見た事が無い。勇者の知識が頼りだ」

 信頼されている。でも、

「俺の知っている方法だと巫女の浄化。女神の加護のある道具での消滅しかないんだ。でも、どちらも通じてない」

 女神の加護と言えばその最たるものは勇者の剣なのに、

「焦るな」

 女騎士は次々と倒していく――その都度立ち上がってくるが――、

「何度も立ち上がって来てるが流石に細切れになってまで立ち上がらないだろう。体力が続くまで倒していけばいい」

「…………それ、何という無理ゲー」

「何か言ったか」

「いや別に」

 でも、一理ある。

 倒していく内に有効な手段が見つかるかもしれないし。


「――焼けばいいんですよ」

 不意に声がした。

 

 がさっ

 

 木々を掻き分けて現れたのは、

「えっと……!?」

 嘘だろ……。

 ウサギの耳と尻尾のある女性と、人間の男性。

「――こうやって」

 男性の腕が虎の前足に変化して、ゾンビ達の攻撃したのだが、その攻撃が当たると次々と燃えて消えていくゾンビ達。


 そう言えば、浄化の方法に燃やすと言うのもあった。


魔法少女パイシャン!!」

 叫ぶと魔法少女が炎を生み出して次々と燃やしていく。


 ゾンビ達が消えると、巫女と女騎士がその二人に警戒するように構える。

「なんで、貴方方が居られるんです!!」

 警戒するのも無理はない。

「あの街で死んだんじゃ…」

 魔物の街。あそこで殺された半魔と魔獣使い。


 アンデット系―ーゾンビを倒す方法を教えてくれたけど、この二人こそアンデットではないかと疑ってしまう。


「シトラ…」

「うん。そういう風になるよね。やっぱり」

 ごめんねシヅキ。

 相手の名前を呼びあって――名前を呼び合う文化が無い世界なのに――困った様に笑って、

「俺らを警戒するのも当然だと思いますけど、俺らも用があってここに来たんです」

 だから、貴方方に倒されたくないんです。

「………」

 そんな二人に最初に警戒を解いたのは女騎士。

「女騎士?」

「――信用しても大丈夫だ」

 剣を鞘に戻して、

「助力。感謝する」

 と頭を下げる。

「女騎士!! 何を考えて…!!」

「警戒されるのが当然の立ち位置で助けに入った。……その行いは信に置けると私は判断する」

 巫女が怒るのも当然だがな。

 女騎士の言葉にそんな単純ではないだろうと思ったが、

「………俺は街でのこの人達を見ている」

「勇者…?」

「あの時は信じる事が出来なかったから不幸になった。だから」

 そっと笑う。

「次は信じてみようと思うんだ」

 そう告げると魔法少女が笑う。

「うん♡ それでこそ勇者だ♪」

 嬉しそうに弾む声。

「…………良かった」

 安堵したように口を開き、

「この贈り物に対応するのを頼めそうで」

 と告げた。










タイトルの割りにもらって嬉しくない贈り物だな。

取り敢えず、シトラとシヅキを出して幸せです。

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