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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
諦める者
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懺悔

魔法少女の台詞に♪とか♡を付けるのが好き

  第130話  懺悔

 勇者一行は進む。

「確か、この道を進んで魔王城に行ったんだったよね」

 破壊された跡。前来た時はもう少し綺麗だったような……。

「――魔王の痕跡を見るのが嫌で壊していったんだ」

 女騎士が教えてくれる。

「そうか……」

 誰ももう来ないと思ったから出来たんだろうな。

 ………道無いな。

 瓦礫で道が埋まっている。

「どうやって進もう…」

 魔王城はもう間近に見えている。

 ここで瓦礫と格闘するという無駄な体力使いたくない。


 したくないが……。


 はあ~。

「結局こうなるんだよね」

 必死に瓦礫を避ける。すると、魔法少女が嬉しそうに笑う。

「魔法少女?」

「勇者のその顔ひっさしぶりに見たよ♡」

 嬉しそうだが、その顔?

「顔なんていつも同じだろう?」

「ううん。――どんなにつらくても諦めない顔。そして、どこか楽しんでいる顔。……久しぶりに見た」

 それは魔法少女だろう。常に楽しそうにいろいろ見ていた。

 そう思ったのが伝わったのだろう。

「勇者がそうだったからだよ♪」

 だから楽しんでいられたそう告げられて、スキップして瓦礫を避けていく魔法少女を横目に、

「………」

 楽しんでいた。か…。

 今の自分はどうだろう。

 楽しんで……。


 脳裏に浮かぶのは橋が壊れ、川に落ちていく新庄の姿。

 驚いたように目を見開き、助けを求めるように手を伸ばしていた。


 あの姿が頭から離れない。


 そう――。


 彼女を殺したのは自分なのに、楽しむなんて許されない。


 龍と交流を深めたのは彼女だった。

 何も出来ない足手纏いだと思っていたのに防御系と言う特殊な方面のチートがあった。

 冷静に考える力もあり、言語チートは自分より高い。


 ……無力なら良かった。

 足手纏いなら自分が守ると言う立場でいられた。


 そう、彼女が辛い立場であっても自分の庇護下と言う名目で守ってあげれたし、そこで自分の事を見直してもらえるだろうし………苦手だ。嫌いだと言われていたけど、同じ世界出身だから支えて友好度は上げられる筈だった。


 力がある彼女は認めたくない。

 そう――。


 勇者と呼ばれて尊敬され、羨まられるのは自分一人で十分だ。

 …………無力な新庄さんなら許せたけど、力のある勇者の新庄さんはいらない。


 一瞬、そう思って助けられたかもしれない手を伸ばさなかった。


 俺は勇者失格だ。

 そんな自分に楽しんで旅するのはおかしいだろう。


 勇者として、新庄さんを見捨てた自分は責任を取らないと………。


 そんな事を考えていると、

「勇者!!」

 女騎士が声を掛ける。

 その時になって、何かが近付いてくる音がする。

「なっ、なにこれ…!?」

 怯えたように魔法少女が口を開く。

「これは…、死人?」

 巫女が信じられないと呟く、

「ゾンビだ……」

 しかもそのゾンビ達は………、

「俺が倒した者達だ」

 そう村を襲っていた侵略者。

 それがゾンビとして現れて、

「うっそだろ……」

 恐怖で、戦慄した。




勇者が倒してきた侵略者は冥王の治める地域出身デス。

ここテストに出ます。


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