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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
諦める者
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龍のご一家

ギャグが書きたかったから出来た小話。あんま本編と関係ない

  幕間  龍のご一家

 かつて結界があったぎりぎりの区域に空すら覆う巨大な翼が広がってる。

「おお。帰ってきたか?」

 視線の隅には四つの影――1つ飛び方が拙いのもあるがあれは末の息子だろう。


 話をするのに龍姿だと狭いと判断して近くの岩に降りて人の姿に変化する。

「親爺様」

 長男が人の姿に変化して声を掛ける。

 それに合わせて次男と長女も空中で人型に変化して岩に着地する。

 末っ子も人型に変化しようとするが人型に変化しよとして飛ぶのを疎かにしてしまう。

「長距離飛んで疲れたか?」

 岩にぶつかる前に受け止める。

「ありがとうございます。親爺様」

 礼を告げてくる末っ子に不満げに、

「他人行儀だな。もっと気軽に『ありがとう。ダディ♡』でいいんだぞ!!」

 飢え二人は自分に似て可愛くないが、下二人は愛するさいによく似ているのでいくらでも甘やかしてやる。

「………」

 末っ子から絶対零度の眼差しを向けられる。

 ああ。そうやって冷たい所も妻に似ている。……悲しくない。悲しくないから。

「親爺様。様子を見てきました。…それ以前に中に入ると自分が影響与えるから代わりに見て来いと告げたと思いますが」

 淡々と生真面目な口調で――そういうところは公の時の自分に似ているな。可愛げが無い。妻にも似ているがこういう時の妻は夫婦と言うのを感じさせなくて寂しかったんだよな――長男が報告して来ようとするがなんか怒られる気配がする。

「それなのに何で、どこぞの国で謎の魔族らしき存在が神殿を破壊したという話が耳に入ってくるんでしょうかね」

 怒っている。名前のごとく風が吹いてる。

「だって、しょうがないだろう。冥王と待ち合わせ場所に最適だったんだし」

「可愛い口調で言っても無駄です」

 ばさりと切り捨てる長男。ああ、夫婦喧嘩した時の妻の口調によく似てるな。

「《大地ラント》が貴方らしき噂を聞いたと教えてくれた時は耳を疑いましたよ」

「大兄様。親爺様に叱っても逆効果です。親爺様は叱り方が一番母上に似ている大兄様に叱られたくてやっているんですから」

 娘の冷たい口調。

「………ああ。そうだった」

 頭抱える長男。ああ、これ以上ふざけると口聞いてもらえなくなるな。

「まあ、実際の所。冥王との話し合いがあってな。獣の王と言う支配者が居ない空白地帯をどう取り分を決めるかと思ってな。……あの冥王ガキが支配すると死と病の地域になるしな。実際、冥王の地域の人が侵略しているのは冥王の死から逃れたいと言う考えの者が多いし」

 死なんて逃れられないものなのに。

「で、精霊王は新種の植物を試したいと言う考えで攻めたが可愛い人間を見付けたから侵略を辞めると言い出したしな」

 あいつは自分と自分の眷属の種を維持するのが目的だ。種を撒いてくれる者が居るなら時に攻める必要が無い。

「で、さすがに獣の王には借りがあるから次の王が決まるまで預かろうと思ったけどそれも冥王がいろいろ言ってきてな」

 面倒だったと報告すると、

「その件ですが、親爺様に報告が…」

 口を開くのは次男。私の自分に一番似ている息子から口開くなんて珍しいなと思っていたら…。

「獣の王……かの王が生きてました」

「はあ!?」

 うなわけないだろうあいつが消滅したから結界が消えたんだし。

「事実です。――転生してました」

「――詳しく聞かせてもらおうか?」

 妙な事になったものだ。 

 異常事態だぞ。

「――親爺様ならそう言うと思いました」

 子供らの報告に目を大きく開き、

「女か……新しいお母さん欲しいか?」

「第一声がそれですか!!」

 話を聞いた後に怒られた。






龍帝「逆鱗って再生しないかな」

長男「しないです」

次男「ってか。再婚したいからってだけですよね。親爺様」

長女「……本人の意思を無視ですか?」

末っ子「えっ? あの人獣の王だったの!?」

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