表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
諦める者
137/290

情報整理

主人公の帰還

  第127話  情報整理

「つまり……」

 情報を整理しよう。

「勇者が侵略者を殺していて、それをハーレムは止めてない…」

「はい。侵略者は侵略者。勇者の守る人ではない。…そういう判断です」

 だからって、人殺し…。

「……リム」

「はい?」

 アカネをもふもふしながら、

「勇者の居た世界…。新庄真緒わたしが生まれた世界でもあるけど………そこでは、私の生まれた国では戦争をしない宣言をしているんだ」

「戦争をしない? それでどうやって身を守っているんですか!?」

「………それが甘いんだけどね。一応自衛隊と言う国を守る組織はあるんだよ」

 その自衛隊の存在すら悪だと責める者もいるし、海域を無断に入って来てる他の国の対応も甘いのもあるが、

「まあ、それはともかく、勇者は人を殺した事無いのに殺してるのがね……」

 罪と感じるか当然だと思うのか。

「少なくとも…新庄真緒わたしは人を殺した事に対して色々想う事があるんだよね……」

 ただし、そこにラーセルシェード(わたし)の感覚もあって、

「人と魔族。どう違う。生きるために殺すのなら必然である。とも思ってしまってね」

 複雑だ。

「……我が、真緒様はどう思うんですか?」

 我が君と言い掛けたな。

「それがね。分からないんだよね。……女神の考えが」

 そんなの簡単に分かっても困るが、

「……我が、真緒様は女神に何を?」

「……新庄真緒わたしじゃなくて、ラーセルシェード。お気に入りの生贄に酷い目に合わせたから呪いを掛けたの。その後しばらく引き篭もっていたからその間に様変わりしていて、気が付いたら勇者が現れるわ。大変だったわ」

 他人事なのは記憶が曖昧だから。

「他人事ですね……」

「まあ、その報いを受けたんだろうけど」

 勇者に倒された事はその大きな報いだ。

「勇者…次の魔王候補がどう動くかでこの地はどうなるか分からないからな」

 ほんと女神は何したいんだろう。


 自分の呼び出した勇者が魔王化したら女神としては失墜するし、女神――神と名乗っているのならこの地の者を守るはずだ。

 守る気もないし、勇者の魔王化を推し進めている。


「高位の者が近くに居ると思うのに何しているのやら……」

 世界が滅んでもいいのか。

「真緒様」

「――クー」

 そっと名を呼ぶとクーの腕――足?――が絡み付いて居るのが実態として見える。今までずっとくっ付いていたが、動きの妨げにならないように実体化していなかったのだ。

「二つに裂けて、一つは勇者を探れ」

 命じる。クーの足が二つになり、無事に分かれる。

「これで勇者の足取りを掴めるといいけど…」

 勇者に気付かれないように気を付けなさいと告げ、再び空気に溶け込ませて、実体を消させた。



高位の者「分かっていて面白いから離してのよ」

 鵜飼のイメージです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ