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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
魔王城に
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フラグは立ったのか折れたのか

勇者より 末っ子の方が マシだけど(字余り)

  第118話  フラグは立ったのか折れたのか

 帰ると長男が決めたからか。その日の夜。野宿をする事にした勇者一行――と龍組――は野宿の準備してそれぞれ疲れを取る事にした。が、

「あの、話が…」

 こそっと魔法少女を呼び出す末っ子。

「んっ? なあに♡」

 勇者が近くに居るからぶりっ子したまま返事をする魔法少女。

「あの…話が……」

 と呼び出していた。


 ………そして、それが聞こえていた私は二人が心配――もとい出歯亀としてバレない位置で二人の動向を探りつつ、どうなるのかなと面白がっていた。


「話って、何?」

 魔法と勇者の事しか考えてない。魔法少女は、どうして呼ばれたのか不思議そうに尋ねる。

「あっ…、あの…」

 びくびく おろおろ

 不安そうに視線を揺らしている末っ子。

(がんばれ。面白い展開になるのを期待しているから)

 応援なのか。面白がっているのか。

「あの…、その…」

 びくびくしている龍の末っ子に、

「――何時まで、こうしてるの?」

 時間がもったいないとばかりに告げてくる魔法少女を見て、このままだと話せずに終わっていしまうとばかりに、  

「魔法少女さん!!」

 魔法少女の肩を両手で押さえて、珍しく強気に声を掛け、

「あっ、乱暴にしてごめんなさい……」

 自分のした事が乱暴だったと顔を赤らめて、手を離し。

「えっと…その…あの…」

 末っ子がおずおずと声を掛ける。

「いい加減に話したら? えっと…」

 なんて呼べばいいのかと困っている魔法少女に、

「《水琴の調べ》……《水琴(ヴァッサー)》と呼んでください」

 前半の名前は音として耳に届くが発音できない。そういう仕様だ。

「えっと、ヴァッサー?」

 やや発音がおかしいが、魔法少女が口に出来たのはそれが限界だった。

「はい。すみません。――そろそろ戻らないと行けなくなりました」

 深々と申し訳なさそうに頭を下げる《水琴ヴァッサー》。発音がおかしいのは気にならないらしい。それよりも名を呼んでもらえた事が嬉しいのか龍なのに尻尾を振っている犬の様だった。

 ようやく本題に入れたなと、野次馬しているこちらとしては安堵する。

「戻る?」

「はい」

 そう言えば、用があって来てたんだったなと長男達が交渉していたから添え物扱いで、すっかり忘れていたと魔法少女が呟く。

「あっ…鱗!?」

 杖の中に収納されているが返した方がいいのではないかと言い掛けて、

「――そのまま使っていても大丈夫です」

 いらないのなら仕方ないですけど……。

 そこで不安そうに言ってくるな。堂々と行けと野次馬が声を出さずに突っ込む。

「………逆鱗。その鱗があれば貴方の危険を察し出来ます。何かあったら力を貸します」

 便利でしょうと告げるが、現代人の感覚だと盗聴器? GPS? と思えばいいのかなと考えてしまう。

 まあ、あれば便利なのは事実だが。

 ………実際欲しかったなとか。思ったし。

「力を貸すって、……愛称とはいえ名前名乗ってるし」

 いいの? と案じている少女に、

「貴方が、とっさと言え、勇者を助けるために真名を彼女に名を名乗って信頼を得ようとしたんです。名乗る価値はあります」

 びくびくしていたのが嘘みたいに誇らしげだった。

「………気にするのだったら」

 そこから先は聞こえなかった。でも、それを聞いて魔法少女の表情が大きく目を見開いて動揺しているのだけは伝わった。



作者は末っ子の恋を応援してます

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