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諸事情につき、勇者ハーレムの中にいます  作者: 高月水都
魔王城に
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ノイズ

タイトル詐欺

  第108話  ノイズ

 新庄の声が二重に聞こえる。

(……そんなの以前にもあった)

 新庄ではなかったが、ある魔物…そうだ。魔獣使いを助けてほしいと言われた。

 魔物には知識は無いと聞いていたのにおかしいと思ったんだ。あの時は……。


 そうだ。

 何度か妙だとおかしいと思った事があったのに、何で疑問が消えていったんだろう。


 新庄あたりが聞いたら3歩進んだら忘れる脳筋だからと辛辣に告げるのだが、幸いな事にその疑問は新庄に伝わっていない。

 その二重に聞こえるのが何でか分からないので尋ねてみたのだ。この場合龍だと名乗った彼らに尋ねるべきなのに――。


「新庄さんには勇者の力は無いんだよね」

 もしかしたらまたノイズ交じりに聞こえるかもしれないと期待して、

「う~ん?」

 分からないと首を傾げるのを見て、嘘を吐いてないかと目を皿のように見るが、分からない。

 困ってしまうとそんな俺達に助けようとしてくれたのだろう。疑問に答えてくれたのは魔法少女。

 言語能力が高い。

 うん。そんな気がしていた。それを生かそうとも思っていなかったけど。

 防御力特化。

 そんな能力もあるんだ。知らなかった。

 じゃあ、待てよ……。

「…………女神ユスティは何で、新庄さん(きみを)魔物の勇者と呼んで、倒すように告げたんだろう」

 勇者と言ったら倒す力だろう。

 防御に特化していたら戦えないだろうし。

 昔、漫画で矛盾と言う言葉を覚えたな。

 確か、何でも貫ける矛と何でも防ぐ盾。どちらが優秀かと言う話。

 その話では双方とも壊れてお終いだったが、もしそれが俺と新庄だったら?

(壊れるって場合だったらどちらも死亡決定じゃないか)

 冗談じゃない。女神が魔物の勇者と告げたのだけど死にたくはないし。………殺したくない。


「………我らはその方の信じる神は知らない。だが、我らの意見を言わせてもらう」

 龍の長男が口を開く。

「意見…。聞かせてください」

 迷ったのは一瞬。

 判断するにも情報が足りないと思い知らされた。

 もう、魔獣使いと同じ様な轍を踏みたくない。


「……魔王を倒して混乱が収まったか?」

 意見を聞きたいと言ったのに質問で返された。

「………魔王の」

 まあでも答えないと、

「魔王の呪いで混乱が酷くなった」

 そう、そう聞いている。だが、この流れだと、

「………違うのか?」

 尋ねる。

「勇者!!」

 巫女が騙されるなとばかりに叱り付けてくる。

 だけど、ここで意見を聞かないと、

「話が進まないから巫女リジー黙って」

 お願いだからと伝えると不満げに口を閉じてくれる。

「ありがとう」

 告げると巫女が顔を赤らめて、

「悔しい。つい絆されてしまいます」

 …………よく分からない事を告げられた。



頭のいい勇者なんて勇者じゃない

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