第一話
一人の少年が城にやって来たようです。
少年は城を見上げてボソリと呟きました。
「ここがお城か…あんまり大きくないんだ」
「何者だ!何の用で城に来た!」
「ヒッ…あ、あの、おふれを見て…」
怯えるの少年の言葉を聞いて、門番は警戒を解きました。
「なんだ、勇者候補か。勇者候補の者には国王との謁見が義務付けられている。まずはそうだな…」
門番が考え込んだ時、ヒョッコリと物陰からメイドが飛び出てきました。
「は~い、呼ばれてないけど飛び出て来ました~!勇者さん、私の後付いて来てくださいね。この城迷路みたいで一度迷うと一ヶ月出れなくなったとか怪しい噂がありますから♪」
「えっ!?」
驚く少年を見向きもせず、メイドはどんどん迷路のような廊下を進んで行きます。その後を小走りになりながら少年が追いかけます。
「はい、付きました~!この部屋に服と剣があるので着替えたら声かけてくださ~い!」
さっきメイドにそう言われたけど…この服の着方とかわからないし、剣って…。僕、フォークとナイフとスプーンより重い物持った事ないんだけど…。
「はぁぁ…なんで僕、こんな所に居るんだろぉ…」
部屋にあった服をなんとか着ると椅子に立てかけてあった剣を手に取りました。
「うっ、重い…。無理だよ、こんなの振り回せるわけないよ…。あの…」
少年は扉を少しだけ開けると、外で待っているメイドに声をかけました。すると待っていましたとばかりに矢継ぎ早に質問をしてきました。
「あ、はーい!服着れました?サイズとかどうですか?合ってます?あ、やっぱり外套とか必要ですか?」
「あ、えっと…いっぺんに言われても頭に入らないです」
「え、あぁ!そうですよね!私とした事がすいませんっ!それで、何かご用でしたか?」
メイドは慌てたように少年に聞き返しました。
「短剣とかあります?出来ればナイフ」
「う~ん…少し待っててくださいね!」
メイドは少し考え込んだ後、何処かに駆けて行ってしまいました。
何処に行ったんでしょう?
皆様お久しぶりです、霏苑です。
今回は覚悟を決めて長編を書こうと決めました。
一日500文字を目安に毎日投稿できたらと思います。
それではまた明日!