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前世は猫でしたので  作者: KAE


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消えたクローディア

クローディアは両親の元で久しぶりにのんびりした日々を送っていた。ルークが迎えに来るまでは後数日ある。忙しい父がようやく休日を取り、今日は親子で街に買い物に来ていた。


サザーランド子爵夫妻は娘に結婚の記念になるものを贈りたく、何が良いかいろいろな店を見て回っていた。

散々悩んだ結果。夫人が「ずっと使えて、品のある美しい真珠のアクセサリーなんてどうかしら?」の一言で真珠のネックレスに決まった。

とても美しい光沢のある三連の真珠のネックレスだった。両親の願いで、身につけてサザーランド子爵邸に帰ってきた。

邸に戻って、子爵が店舗からの呼び出しに家をあけた。

夫人は、夕食の献立の相談を受け、厨房に行く為、クローディアから少し離れた。


少しして、夫人が家族の居間に戻ってきた時、クローディアの姿がなかった。私室に探しに行ったが私室にもいなかった。

子爵が邸に戻ってきたのでクローディアがいないことを告げると、広くない邸中を探し、見つからないので外に出たが、やはり姿が見えない。慌てた二人は周りにいた人に「クローディアを見なかったか?」と聞いて回っていた。

そこに馬に乗ったルークに似た黒髪の美しい女性が「いかがなさいましたか?」と夫妻に声をかけてきた。

夫妻は藁にも縋る思いで、クローディアがいなくなった事を告げた。


馬から降りた女性はそれを聞いて顔色が悪くなり、夫妻に〈いつまで一緒にいたのか〉〈今日の装いは?〉などを聞いてきた。夫妻は〈半時ほど前まで一緒にいた〉〈今日は薄紫のドレスだった。プレゼントしたばかりの真珠のネックレスを身に着けていた〉と伝えた。


それを聞いた女性は周りの街の様子を確認して「もしかしたら連れ去られたかもしれません。私が来た道中ではそれらしき者は見かけませんでした。ですので、この先の道を使った可能性があります。きっとディアさまを連れて参ります。私を信じてお待ちいただけますか?…申し遅れました。わたくし、ティナーリア•シエル•ウォールヒルと申します。ディアさまのお父様お母様。一度ここで失礼いたします。ご挨拶はまた改めて」と言うと急いで馬に跨り子爵夫妻の元から去って行った。

残された子爵夫妻は「え?ウォールヒル?…ティナさま?」と娘から聞いていたティナーリアの姿とはかけ離れた姿を目にし呆然と走り去るティナを見送っていた。


――――――――――――


ルークは準備室からの調査報告書を読み込んでいた。

そして〈イーサン•ユーグ〉に狙いを定めた。

彼の素行、借金の額から一番窮しているのは彼だと確信したからであった。


調査した彼の邸に向かった。邸はかなり荒れていた。

暫く離れたところから様子を見ていたが、イーサンは現れない。(外れたか?)ルークが不安になった時、邸の中から人が出てきた。どうやら借金の取り立てにきた者らしい。だが本人がいなくて、引き上げるところだったようだ。「全く…差し押さえできるような物さえないなんて…落ちぶれたもんだな…」とぼやきながら邸を後にするのを見た。


(本人がいないのはなぜだ?金策に行ったか?)

調査報告書を思い出してみた。確かイーサンは賭場に出入りしていた。ルークは賭場に向かった。


場末の賭場はルークも来たことのある賭場だった。

今回は少し着ているものを乱してルークも賭場に足を踏み入れた。

カードゲームをする台。ルーレット台。いくつもの台が置かれている。その奥は酒場になっていて、タバコを燻らせながら酒を飲む者がたくさんいた。

そこに、ヤコブ•カウンディーの姿があった。隣にいるのはエリック•ワイルズと思われる。二人とも窮してはいるが、イーサンほどではなかったと記憶している。

人々の騒ぐ声、賭けのチップがぶつかり合う音。騒然とする中、ルークも酒を頼み、カウンターに寄りかかり、耳に神経を集中させて二人の話す内容を聞き取ろうとした。ルークの左目が光る。


「イーサン達はうまくやってくれると思うか?」ヤコブがエリックに聞いている。


エリックは「きっと大丈夫さ。腕に覚えのある者を雇ってやったんだから」


「そうだな。イーサンもパトリックも後がないから必死に成功させるよな」


「そうしないと、奴らの命も危ないからな…。バーネット様があんなことにならなければ、私たちもこんな目に遭うことはなかったんだ。全くサザーランドの娘にはとんだ煮湯を飲まされたよ。バーネット様に命令された時には役に立たず、バーネット様が倒れられてからウォールヒルの息子と婚約だなんてふざけているとしか言いようがない!全くバカにされたよ!腹立たしい!」と言いながら酒を煽っていた。


その二人にルークは話しかけた。

「ふーん。そんなに腹立たしいか?」


「そりゃ……。!!」ルークの声に返事をしながら振り向いたエリックは目を見開き硬直した。

目の前に今噂をしていたウォールヒルの息子がいたから。


ヤコブとエリックの二人は踵を返しすぐさま逃げようとしたが、相手がルークである。難なく取り押さえられ、おとなしくなるようにルークの拳が飛び、引きずられるようにして、辻馬車に押し込められ王宮に連行された。


二人は逃亡できないように拘束されてルークの尋問を受けた。五人の計画を。

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