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前世は猫でしたので  作者: KAE


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不安の種

ディアの実家から途中一泊して翌日王都に戻ったルークは、そのまま王宮に向かった。執務棟に向かうが、いつも絡んでくる令嬢達はいない。(婚約の噂が広まったんだな)と思った。

ホッとしながら執務棟二階に向かい、宰相室に王都に戻ったことを報告に行った。

扉をノックし、返事があったので入室すると、宰相とランスロットがソファで談笑していた。


「やあ。おかえり」と宰相が笑顔で迎える。


「ただいま戻りました。おやすみをありがとうございました」


「ご両親は息災だった?」とランスロットも聞いてくる。


「ええ。とてもお元気で、大歓迎してもらいました」


「ふふ、それはよかった。ご両親も安心されたでしょう」ランスロットも笑顔だ。


「まぁ。君も一緒にどうだ?」と宰相からお茶に誘われて礼を言ってソファに腰掛ける。

そして暫く談笑していたが、ルークが少し気になっていたことを話した。

「実は…」とディアの実家に旧バーネット家門の者がたかり紛いの援助を要求してきている。と

それを聞いたランスロットもティナと行った夜会での噂話をした。〈かなり困窮しているようだ〉と。

それを聞いた宰相は暫く何かを考えて二人に話しかけた。

「実は…外務補佐官にも話していたんだが、さっき外務部からネイルロウとの交渉日程について相談があった。先方がようやく話し合いに応じる態度を示したようだ。これから交渉場所と日程を決めることになる。しかし、もしその旧バーネット家門の者が困窮に耐えかねネイルロウと再び繋がってしまったら…不安の種は早く潰してしまわないとな…

補佐官諸君。杞憂かもしれないが、外務部サイドからと国務部サイドから調べて、問題があったら表面化する前に事態収拾を図ってくれ」


ランスロットとルークは「わかりました。早速取りかかります」と答えた。

宰相室を辞した二人は外務補佐官室で話し合った。


「外務部サイド…かぁ。まずは情報が欲しいな。カール…ジェレミーを突いてみるか…」とランスロットが言い、

ルークは「では、私は旧バーネットの家門の現在を調べます。杞憂なのを願いますが…」


「だよね。細かく現状は共有しよう」


「はい。では早速動きます」


「うん。私も奴の所に行ってくるよ」

そう言って、ルークも自室に戻った。そして、補佐官準備室のメンバーに至急扱いで調査を指示した。


――――――――――――


今、自分は何をするべきか…。ルークは考えていた。

急いで他の案件を片付け、落ち着こうと早めに帰宅した。


「ねぇ。何があったの?」向かいの椅子からティナの声がした。我に返りティナを見る。


「え?何が?」

ティナと二人で夕食をとっているところだった。


「心ここにあらず…って感じよ。ディアさまの事でも考えてたの?」


「あ。いや、仕事のことで…」


「ふぅーん。何があったの?」わくわくした顔でルークを見る。


「何かはあったけど、別にたいしたことじゃないよ」


「嘘ね。そんな顔してないもん。何か悩んでるんでしょ?」ティナは鋭い。「話してみたら?いい考えが浮かぶかもよ」とニコニコしてルークを見ている。


そうかもしれない…と思い「そうだな…後で話すよ。先に食事をしよう」と言って食後、執務室に移動することにした。


――――――――――――


ルークの執務室にはいつものメンバーが集まる。


「それで…何を悩んでいたの?」

皆がルークの方を見て頷いた。


「実は…」ディアの実家であったこと。そして宰相からの懸念事項のこと。その対処をランスロットと手分けして問題回避するように指示されたことを話した。

皆は黙って聞いている。

ルークは続ける「準備室に旧バーネット家門の現在の状況を調査するように指示したんだけど、それ以外で今できることはないか?と考えていたんだ」


「まだバーネット家門の問題が残ってたのね」とティナが言うと

フランツが「今まで、〈公爵家〉の後ろ盾があったから通していたことが、後ろ盾がなくなったとたん皆にそっぽをむかれたのでしょう」


ポールが「…人に頼ってばかりの奴が、うまくいかなくなって、困窮してしまったのを誰かのせいにするようになるのは不思議じゃないですよね。…そうなると〈ルークさまのせい〉とか〈うまく懐柔できなかったクローディアさまのせい〉とか見当違いな考えをする奴が出てくる可能性はないでしょうか?」


「あり得るわね、ルークはともかく。ディアさまが心配だわ…」


あの…。とフランツが「まだ、旧バーネットがクローディアさまに何かをするとは限りませんが、万が一の時の為に所在がわかると私達も対処できるのではないでしょうか」

その言葉に皆頷く「確かに」と。

フランツは続ける。

「クローディアさまに犬笛を持っていただく。というのはどうでしょう?少なくとも、ルークさまとティナさまには伝わります。近距離に限りますが…。後は護衛をつけるのが良いかと」


「そうね!護衛も笛も大賛成だわ!ねぇ。笛はアクセサリーに見えるように装飾できる?その方が違和感がないかも」


「確かにそうですね。少しアレンジしてみましょう」とマリアも賛同する。


「じゃ、お願いするわ。全部で8個」


「8個ですか?」フランツが不思議そうに聞くが


ティナは「そんな危険性は皆にあるのよ。だから皆で持って。私達には皆の居場所がわかる。皆は、私達に異変を知らせることができるようになるでしょ?」


「そうですね。笛を使わずに済むならそれが一番ですが〈万が一の為〉ですからね」









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