フランツの調査報告
「「え?何か話す事あったっけ?」」
「「ありますとも」」
「「……。」」何も言えずそのままサロンに向かった。
エレナがサロンにお茶を用意してくれている。
私達は並んでソファに座り、向かいのソファにフランツとマリアが並んで腰掛ける。その後ろにポールが立っている。
とても緊張する。叱られる時はいつもこんな感じだ。
隣のルークもどうやら緊張している様子。
フランツが「ふふ、そんなに緊張なさらないでください。お二人とも子どもの頃の顔に戻ってますよ、ふふ…私はここ最近のお二人の事をお伺いしたいと思っているのです」
「「最近の?」」
「はい。最初は木の枝に座ってこっちを見ているお二人にびっくりしたものでした。何をされているのか気になって様子をうかがっていました。しかしそれ以来特に何事もないようでしたのであまり気にしない方が良いのかなとも思いました。しかしあんな高いところにどうやって登られたのか、しかもお嬢さままでご一緒に…不思議でした。ところが今度は深夜に目が覚めて水を飲もうと廊下に出て何気なく裏庭に目をやると何かが動く気配がしたのです。真っ暗なのでいったい何が動いていたのか?もしかして賊か?と思い警戒していました。しかしその賊と思わしき物体は屋敷に押し入る事もなく気配を消しました。不可解でした。
野生動物が迷い込んでいるかもしれない、対策が必要かもしれないと思うようになりました。その日からその野生動物の正体が気になり対策の為に観察する事にしました。残念ながらその野生動物の正体をつかむ事はなかなかできませんでした。そんなときマリアからある報告を受けたのです」
マリアがフランツの視線を受けて後を続ける。
「はい。ここ最近のお坊ちゃまとお嬢さまの衣類、特にパンツや乗馬服ですが、小さなかぎ裂きや泥汚れ時には枯葉などが付いていたり普通の生活では考えられないような汚れが目立っておりました。何か特別な事をされているのか疑問に思いましてフランツに相談しました」
その後をフランツが引き取る。
「マリアから相談を受けて、裏庭の事に繋がりがあるのではないかと推測しました。そこでポールに話を聞く事にしました」
今度はポールが話を引き継ぐ。
「はい。両親から、ぼっちゃ…いえルーク様の行動を聞かれたので、特に変わりはなく強いて言えば就寝時間が少し早くなったくらい。だと答えました」
ふたたびフランツが「ポールの報告を聞いて、もしかしたらとエレナにも同じ事を聞きました」
今度はエレナが「はい。執事のフランツさんにお嬢さまの行動を聞かれましたので、変わりはなくお過ごしだと答えました、その時に就寝時間の事を聞かれましたので、少し早くなりました。と答えました」
「その話を総合すると、裏庭の野生動物はもしかしたらお二人ではないかと考えました。全く荒唐無稽な考えだと思いましたが。仮にお二人が疑惑の野生動物だとして、就寝後どうやって裏庭に行かれたのかが疑問に思いお二人を観察させていただきました。部屋から廊下を歩いて裏庭に出て行かれた事はありませんでした。もしかしてと思い庭園の方から様子をうかがっていると、お二人はバルコニーの柵伝いに木の枝に移り木の枝から木の枝に移動して木の幹を伝い庭園に降りて裏庭の方角に消えて行かれました。それはもう素早く」
私達は同時に同じ事を思ったのに違いない。
(もうしっかりバレてる。ごまかしようがない)と。
ご紹介が遅れました。
お察しの通り、フランツとマリアは夫婦です。
その息子がポールです。
いつかエレナのご紹介もできたらと思います




