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前世は猫でしたので  作者: KAE


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ロバートとマーガレット

「あなた…これは…どういう事かしら?」叔母様の声に叔父様がピクッと反応した。

「え?いや、これは…その」


空気を読んだフランツは使用人達を下がらせて今執務室には私達兄妹、叔父様、叔母様そしてフランツの5人がいる。


「わたくし。何度も尋ねましたよね?本当に大丈夫ですか?と」叔母様の後ろに黒いオーラが…

普段優しい人は怒ると怖い。静かに怖い。


「本当に今回は大丈夫だと思ったんだ。フランツもいるし…」叔父様は少し震えているような気がする。


すかさずフランツが「マーガレット様。私の不手際で申し訳ございません」と助け舟を出す。


「フランツさんにまで気を遣わせてしまってごめんなさい。わたくしだって夫の事はわかっているつもりなんですよ」


叔母様の話によると、叔父様は事務仕事が全くできなく、初歩的な書類整理から苦手なようだ。

子爵領の仕事は侯爵領の仕事量よりかなり少ないのでなんとか叔母様のフォローで回していた。最近はジェラルド兄様が主導で動くようになったので叔父様は承認するだけで領の運営は滞る事はなかった。


「何度あなたに聞いても(大丈夫だ)の一点張り。仕事の進捗のことは勿論の事ちゃんと責任持てるんですか?と何度も聞きましたよね?」


「うぅ…」


「あなたはなんと答えましたか?」


「大丈夫…だと」


「そうです。(私に任せておけ本当に大丈夫だから)と。それがこの状況ですか?いったいこれのどこが大丈夫なんですか?」


「うぅ。面目ない」


「この部屋の状況を見てください。あなたが見栄を張るから自分の手に余って…処理できない書類がこんなに山積みになって…決済を待ってる人がこんなにいるんですよ…」叔母様は叔父様を責めながらぼろぼろ涙を流して泣いている。

「もう認めてください。手に負えない…と。あなたにはあなたにしかできない仕事があるでしょ?私達の領であなたを待ってる領民がいるでしょう?」

叔母様は両手で顔を覆い肩を振るわせ泣いている。


叔父様は叔母様の側に寄り背中を摩りながら「…そうだな。うん。二人で領地に帰ろう」


そうして叔父様達は子爵領に帰る事になった。


三日後。

出発する叔父様と叔母様の見送りに正面玄関の車寄せまで出てきていた。

叔父様は「すまなかったな。迷惑をかけてしまった」

と申し訳なさそうに私達に言った。


ルークは「迷惑だなんて、僕達は叔父上が執務を申し出てくださったおかげで最後の学院生活も充実して送れましたし卒業試験も無事合格しました。後は卒業パーティーを残すだけです。感謝こそすれ迷惑だなんて少しも思っていません」

その隣で私も大きく頷く。

「そうですよ叔父様。またいらしてください、お待ちしてますから。叔父様と叔母様がきてくださって側にいてくださったから元気でいられました。ありがとうございました」と言うと


「そうか。そうか。ありがとう。ありがとう」と涙声で言う叔父様の背中を叔母様が涙目になりながら摩っていた。


そうして叔父様と叔母様は子爵領に帰っていった。

私達は馬車が侯爵家の門を出て見えなくなるまで車寄せに佇んでいた。


一緒に見送りに出てきていたフランツとマリアに声をかけられた。

「さて。子爵夫妻も無事にお見送りできましたし、場所を移しましょうか」

「そうですね。落ち着いてお二人からお話を伺いたいですものね。サロンにお茶を用意しましょう」

「さ。お坊ちゃま、お嬢さま参りましょう」


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